12月14日(現地時間)、ラ・リーガのレアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)はセルヒオ・フランシスコ監督の解任を発表した。
「(解任の)判決が出た」
12日の本拠地レアレ・アレーナでのジローナ戦の逆転負けで、すでにスペイン大手スポーツ紙『アス』はそう見出しを躍らせていた。
ラ・レアルは15位に転落し、18位以下という降格圏に再び近づいていた。ここ数年、主力選手の引退や移籍が相次いで、チームとしてパワーダウン。イマノル・アルグアシル前監督を勇退させ、サンセ(レアル・ソシエダB)のフランシスコ監督を昇格させたわけだが、故障者の多さもあって、チームの形が見えなかった。
後任監督には、サンセを率いていたジョン・アンソテギが就いた。ただ、これは暫定的決定で、年内の国王杯(エルデンセに敵地で1-2と勝利)、ラ・リーガのレバンテ戦の2試合の指揮をとるだけ。新監督の選定はこれから行なわれるという(アンソテギは新監督着任後にサンセに戻る予定)。
各メディアは、有力な候補監督の名を次々に報じている。チアゴ・モッタ(ユベントスなどを指揮)、ガルシア・ピミエンタ(セビージャなどを指揮)、マルコ・ローゼ(ライプツィヒ、ドルトムントなどを指揮)、ルイス・ガルシア・プラサ(アラベス、マジョルカなどを指揮)......いずれも能動的なサッカーの仕組みで勝負する監督たちで、ラ・レアルのフィロソフィーとも一致している。さらには候補としてラウル・ゴンサレスの名前も挙がっているようだ。「ペレグリーノ・マタラッツォで決まり」
そんななか、スペイン大手スポーツ紙『マルカ』はいち早く、そう打電している。
イタリア系アメリカ人のマタラッツォはドイツの下部リーグでプレーしたあと指導者に転身して、ドイツ代表監督ユリアン・ナーゲルスマンの参謀として注目された。
【どの監督でも成功するというタイプではない】
そこで注目されるのが、久保建英の今後である。今シーズンはチームの不振に引きずられ、本領発揮とはなっていない。はたして、どの監督でその力が最大限に引き出されるのか―――。
その答えを出すには、いつ久保がラ・リーガで最高のプレーをしていたかに、今こそ立ち戻るべきだろう。
それはアルグアシル監督が率いたラ・レアルでの1年目だった。2年目もそれに追随する内容だったが、1年目のインパクトは超えなかった。
それはボールプレーヤーを揃えたチームで、コンビネーションで崩し、面白いように敵の裏をかいていた。同じ左利きのダビド・シルバ(引退)、アレクサンダー・セルロート(現アトレティコ・マドリード)、ブライス・メンデス、ミケル・メリーノ(現アーセナル)と連係し、相手のスモールスペースも撹乱、支配し、ゴールに迫った。
4年目となる現在のチームで、上記の4人のなかで残っているのはブライス・メンデスだけだ。さらにマルティン・スビメンディもアーセナルに移籍。
代わりに入ったロシア代表アルセン・ザハリャン、ナイジェリア代表ウマル・サディク、アイスランド代表オーリ・オスカールソン、クロアチア代表ルカ・スチッチはほとんど戦力になっていない。今シーズン補強したクロアチア代表ドゥイエ・チャレタ・ツァルは若手のジョン・マルティンのほうがマシ。ベネズエラ代表ヤンヘル・エレーラはケガ。スペイン代表カルロス・ソレール、ポルトガル代表ゴンサロ・ゲデスも片鱗は見せるが、今のところ期待外れだ。
「タケ(久保)はコンビネーションの使い手。その点ではラ・リーガでも有数」
それが現地の評価であり、ビジャレアル、ヘタフェ、マジョルカでくすぶっていた久保がラ・レアルで才能を開花させた理由は明白だった。他人頼りというわけではない。周りの選手を輝かせ、己も輝く、レベルの高い選手と調和する生粋のフットボーラーなのだ。
アルグアシル監督は久保をよく理解していた。エゴを刺激しながら、成長を促進。何よりボールプレーを重んじる姿勢が、久保のプレースタイルと符合していた。
言い換えれば、久保はどの監督と組んでも成功するというタイプではない。
バルセロナのラ・マシア(育成組織)で育っただけに、ボールを持って能動的に戦えないチームでは、不具合を抱えてしまう。たとえばビジャレアルでは、マニアックなほど規則的な動きを求めるウナイ・エメリ監督とは犬猿の仲だった。ヘタフェでは、ホセ・ボルダラス監督の守備的な戦いに辟易としていた。マジョルカでは、頑固にフィジカルを要求するハビエル・アギーレ監督と決別するほどだった。
一時期の久保が日本代表で苦労していた理由も、「石橋を叩いて渡らない」森保一監督の受け身のチームで、役回りが判然としなかったことがある。いくら守備で身を粉にしても、それは宝の持ち腐れ。ひとりでカウンターを完結させる爆発力のあるアタッカーでもない。シャドーのポジションで自由に攻撃を組み立て、決定機を作るタスクを任されて、代表での席次が上がっていった。
現在、後任の候補に挙がっている監督たちは、マタラッツォを筆頭にプレーコンセプトの相性は悪くない。まずはアンソテギ暫定政権で、勝利に直結するプレーが求められる。

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