第104回全国高校サッカー選手権大会 注目選手紹介 GK&DF編
12月28日から始まる第104回全国高校サッカー選手権大会。今年はどんな選手が注目されるのか楽しみだ。
まつだ・しゅん(GK/3年/青森山田・青森県/185cm、73kg)
「正木昌宣監督が『昨年から高校ナンバーワンのGK』と評する守護神で、この年代では頭ひとつ抜けた存在。シュートストップもいいですが、キックの質も高くてうまい。内定が決まったファジアーノ岡山への練習参加も彼の成長を促進した気がします。金山隼樹選手(今季引退)からいろんなセービングの技術を教わり、プロのスピードに慣れたのも大きかったと口にしていました。兄の松田陸(東京ヴェルディ/DF)とは来年、J1で対戦する可能性があるので楽しみですね」(森田氏)
「U-18日本代表に選ばれてもおかしくない選手です。インターハイ予選の決勝をPK戦で落とし、県内での公式戦が418連勝で止まり、インターハイ予選の24連覇もストップ。試合後は負けを一身に背負って号泣していたのが印象的でした。青森県内で26年ぶりに負けたチームのキャプテンという、重い十字架を背負ってしまったので、選手権予選を見に行った時は彼のプレッシャーを考えると夏も冬も全国に出られないのは可哀そうだと自然に応援していました。プレミアリーグでは毎試合にふたつ、3つぐらいのファインセーブは当たり前。あらためて全国に彼の存在を知ってもらいたい」(土屋氏)
たいら・まこと(GK/3年/京都橘・京都府/181cm、79kg)
「去年の選手権開幕戦でファインセーブを繰り返し、目立っていた守護神です。『この2年はアイツのおかげで勝てた』と口にするのは米澤一成監督で、近年思いどおりの結果が残せていなかったのですが、昨年の選手権、今年のインターハイ、選手権と3大会連続で全国大会に行けたのは最後尾に彼がいたから。
たかあし・どう(GK/3年/堀越・東京都/170cm、64kg)
「4歳上の龍が流通経済大柏、3歳上の善が前橋育英。兄ふたりがともに選手権に出ています。彼も今回、選手権のピッチに立つことが濃厚で、三兄弟が異なる強豪校で選手権に出るのはかなり珍しく、快挙。龍はサイドハーフ、善はストライカーとみんなポジションが違うのも面白いです。
身長170cmなのですが、ハイボールを得意にしていて守備範囲もすごく広い。シュートストップの迫力みたいなのもある。それと足元が相当うまい。堀越は後ろからつないでいくビルドアップに長けたチームなのですが、攻撃の起点にもなれる。攻守で躍動できるキーパーです。
むらかみ・けい(DF/3年/大津・熊本県/182cm、74kg)
「昨年の選手権はセンターバック(CB)で活躍したのですが、今年は松野秀亮と今井獅温という高身長CBがいるので、サイドバック(SB)でプレーしています。もともと攻撃が好きな選手で、組み立てに絡みながらもどんどん前方に上がってシュートまで持っていく。2月にあった九州新人大会のプレーが印象的で、相手チームも彼がキーマンだとわかっていても止められない。試合後、相手チームの選手から自然と『村上半端ない』とこぼれるぐらい圧倒的でした。それぐらい攻撃が目立つのですが、守備センスもすごくいい。危ない場面を予測して消せるのが彼の特徴だと思うので、そうした部分も今大会で注目してほしいですね」(森田氏)
「ユーティリティーな選手で、プレミアリーグの序盤戦はトップ下をやっていました。開地心之介というSBもよくて、村上をどこに置くかとなったらトップ下になったみたいですが、開幕戦はゴールまで決めていました。J1のクラブが競合して最後、横浜F・マリノス行きが決まったほど評価が高い選手です」(土屋氏)
しげむら・しせ(DF/3年/興國・大阪府/186cm、77kg)
「中学時代は、トップチーム昇格が決まったサガン鳥栖U-18の黒木雄也とCBを組んでいて、かなり注目されていた選手。高校でも入学時から期待されていて早くから上のカテゴリーにいたのですが、ケガもあってなかなか芽が出ませんでした。3年生になってからもベンチが続いていたのですが、夏以降にガラッと変わって、高さを生かして空中戦で競り負けないし、ゴール前でも体が張れるようになった。ロングフィードの質も高く、攻撃の起点にもなれる。攻撃的なチームなのですが、今年の予選はわずか2失点で、5年ぶりの選手権出場を果たせたのは彼の成長があったからだと思います。
いわせ・たくろう(DF/3年/浜松開誠館・静岡県/184cm、73kg)
「東京出身なのですが、選手権に出たいと自分のプレースタイルに合っているチーム、かつプリンスリーグに在籍しているチームをお父さんと一緒になって見つけたのが浜松開誠館だったそうです。試合を見に行ったら熱く戦う選手たちの姿に心を惹かれて入学を決めたと口にしていました。また、親戚が浜松駅前にある餃子の有名店を営んでいる縁もあったとか。CBに必要なサイズ感を持ちながらレギュラーになれずにいたのですが、3年生になって監督から指摘されたポジショニングや戦う気持ちを意識するようになってからブレーク。浜松開誠館らしさを感じるCBです」(森田氏)
たきぐち・まきと(DF/3年/前橋育英・群馬県/175cm、75kg)
「去年から右SBのレギュラーとしてずっと試合に出て、選手権の優勝も経験している選手で、今季のプレミアリーグでは一番の右SBだと思っています。2年生の途中までボランチを務めていただけにボール扱いがうまいし、中と外を自在に使い分けたプレーができる。右サイドハーフに入る白井誠也とふたりで仕掛けていく攻撃は、選手権の縦のユニットのなかでもトップレベルだと思います。クロスの精度と質が高く、キックフォームがすごく綺麗。GKとDFラインの間に浮き球でもグラウンダーでも完璧なクロスを通すことができる。今シーズンの前橋育英に欠かせない選手です」(土屋氏)
ますだ・そら(DF/3年/流通経済大柏・千葉県/174cm、69kg)
「ジュビロ磐田に内定している選手ですが、去年はプリンスリーグが主戦場で、プレミアリーグには1試合も出ていません。選手権のメンバーにも入れなくて、悔しい思いをしたのですが、今年は島谷義進とダブルキャプテンに就任。ふたりともチームにいい影響をもたらすことができる選手で、すごく声が出せます。
なかの・はると(DF/3年/神村学園・鹿児島県/180cm、73kg)
「昨年から主力として試合に出ていた選手で、ザ・センターバック、ザ・キャプテンという貫禄を感じます。相方を組んでいる今村太樹もかなり人に強いCBで、神村学園が試合によって3バックと4バックを使い分けできているのは中野がうまく手綱を握っているからですね。本人もフィジカルがこれからの課題だと捉えているから、いわきFC入りを選んだと思うので、そうしたところにもクレバーさを感じます。本当に非の打ちどころがない選手です。近年の神村学園のなかでも際立ったリーダーシップを持っています」(土屋氏)
「今年の守備は圧倒的。空中戦に強いし、1対1のアタックも恐れずに行ける。インターハイ予選の直前に練習にお邪魔させてもらったのですが、見ていると彼のリーダーシップは際立っていました。お調子者みたいな感じの選手が多いなか、彼が冷静に物事を見ながら要所で締める言葉、チーム全体を熱くさせる言葉を入れていく。
<土屋雅史氏の注目選手>
GK/松田駿(青森山田)、高足導(堀越)、仲七璃(帝京長岡)
DF/月舘汰壱アブーバクル(青森山田)、瀧口眞大(前橋育英)、増田大空(流通経済大柏)、松野秀亮(大津)、中野陽斗(神村学園)
<森田将義氏の注目選手>
GK/松田駿(青森山田)、平誠都(京都橘)、石山アレックス(金沢学院大附)
DF/村上慶(大津)、重村心惺(興國)、吉岡大和(岡山学芸館)、岩瀬琢朗(浜松開誠館)、木下空(富山第一)
>>後編「注目選手 MF&FW編」につづく

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