『Ice Brave 新横浜Special Edition』レポート前編
【驚きが詰め込まれた最終章】
プロフィギュアスケーターの宇野昌磨が初めてプロデュースしたアイスショー『Ice Brave』が1月30日~2月1日の『新横浜Special Edition』でついに最終章を迎えた。
『Ice Brave』が幕を開けたのは2025年6月の愛知公演。そこから福岡、新潟を巡った初の挑戦は、ライブ感のあるパフォーマンスや恩師であるステファン・ランビエールとの共演、宇野と本田真凜のアイスダンスなどが話題となった。
千秋楽の新潟公演で開催が発表された『Ice Brave2』では、より観客からの目線を意識したフォーメーションで演出がスタイリッシュになった。新たに野晃平と佐藤由基がメンバーに加わり、各プログラムの物語性が豊かに。観客と一緒に盛り上がり、空気を作っていく。京都、東京、山梨、島根、宮城の5カ所を周り、各地にその熱を届けた。
そんな楽しく没頭できる観客参加型アイスショーは、『Ice Brave 新横浜Special Edition』でラスト。競技シーズン中のコーチ業のため『2』に参加できなかったランビエールが再び合流し、フルメンバーで掉尾を飾ることとなった。
この7カ月間の旅の最後となった「新横浜Special Edition」の見どころについて宇野は、「一番重要視するのは『驚き』。楽しいっていう僕たちの気持ちとみなさんの気持ちがリンクする瞬間を設けられたら」と話した。
その言葉どおり、初めて見る人はアイスショーの楽しさに驚き、何度か見ている人はその進化に驚いたはずだ。そして、オープニングの『Great Spirit』から感じるワクワク・ドキドキ感、観客をあおり巻き込むライブ感は爽快な気持ちにさせられる。
『1』ではランビエールが、『2』では宇野がソロで滑った『Gravity』は今回、宇野とランビエールの師弟コラボを披露。そのコラボについて宇野は「ステファンのタイミングが、僕がやっていたのと違いすぎて(笑)。
【本田真凜と新曲でレベルアップ】
さらに、宇野と本田真凜は新曲『Four Seasons』を披露。もともと『Ice Brave』のセットリストにあった『冬』をアイスダンスバージョンにしたものではなく、まったくの新しいプログラムだった。
冒頭のアクロバティックなエントリーのステーショナリーリフトからのローテーショナルリフトで観客の度肝を抜くと、ワンフットステップやコレオスライド、アシステッドジャンプムーブメントなど、新しいアイスダンスの要素がこれでもかと詰め込まれていた。
ダンススピンやツイズル、ストレートラインリフトはさらに磨かれており、彼らがどれだけ真摯にアイスダンスと向き合ってきたかがわかる。今回の新プログラムの振り付けは、北京五輪アメリカ代表のアイスダンサー、ジャン=リュック・ベイカーだ。彼に振り付けを依頼した理由を「レベルアップがしたかったから」と宇野は言う。
「僕たちのアイスダンスを『Ice Brave』の最後の場所でもう一段階レベルを上げたものにしたいと思ったんです。僕たちができるものを組み合わせていいものを作るのではなく、できなくても自分たちがレベルアップするものを作ってほしいと依頼しました。
あとは、海外の方に振り付けてもらった時にどういうものができ上がるのかを知りたかった。だからこそ(前プログラムの)『Wild Side』と比べると僕たちが得意なシングルの部分が減って、もっともっとアイスダンス要素が増えたものになったと思います。日々の練習も大変で、難しく苦労も多かったんですけど、それだけ収穫のあるものになりました」
昨年4月にアイスダンスの練習を見学させてもらった時は、まだまだ伸びしろがたくさんある状態だった。
「うまくできている人と比べるともっときれいにする方法はあると思うんですけど、でも僕たちは今できることの最大限の練習をできたなって。競技後の感想みたいな感じになるんですけど(笑)。もっとできるようにはなるかもしれないけれど、今日までの練習にはまったく後悔がないです」
自らの成長に胸を張る。ふたりの演技が終わり、次の演技が始まるまで会場のざわめきは止まらなかった。
【今後はゲーム大会で多忙!?】
他のナンバーも細かい部分がブラッシュアップされて見ごたえアップした。『ラヴィアンローズ』から『Time After Time』では出演メンバーの芝居が楽しめ、野と唐川常人の『月光』はスケートの一歩一歩が美しく幻想的だ。
本郷理華は現役時代のプログラム『リバーダンス』で今回も会場を盛り上げ、宇野、中野耀司、唐川、櫛田一樹のダンサブルなナンバー『Narco』はその熱をさらに上げる。MCタイム後の『Planet Earth ~Earth song~ History』は本郷、本田の女性メンバーも参加した。
ランビエールのソロ『Timelapse』は見る者をゾーンに引き込むのではないかと思う吸引力。ふとした所作の美しさやその余韻、音に身をゆだねて滑っているようなフィーリングが目を捕らえて離さない。これは絶対に多くの人に見てほしいプログラムの一つだと断言できる。
プロスケーターとしてもプロデューサーとしても、大きく成長した宇野。今後の展望を聞かれ、宇野は「まず2月の頭に『遊戯王』の大会があって、2月末に『エーペックス(レジェンズ)』の大会があります。3月、4月も未発表ですけどゲームの大会があります」と、ゲームで多忙なスケジュールを発表。
今後再びアイスショーをプロデュースするかどうかは未定としているが、「間違いなくショーをやりたいと思っているので、やれる方向でいろんな準備を考えていきたい」と宇野は意欲を見せている。次はどんなショーを見せてくれるのか。楽しみにその日を待ちたい。
後編につづく



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