ホンダF1バルセロナ合同テスト・レポート(前編)

 2026年のF1がついに動き出した。ただの新シーズンではない。

新時代の始まりだ。

 車体が変わり、パワーユニットも変わった。さらにはアウディ、キャデラック、フォードといった新規参戦メーカーが続々と現れ、そしてホンダもアストンマーティンとタッグを組んで正式にF1復帰を果たす。

 その新車アストンマーティンAMR26が、ついに姿を現した。

【F1】ホンダと「鬼才」ニューウェイが驚異のマシンパッケージ...の画像はこちら >>
「空力の鬼才」と呼ばれたエイドリアン・ニューウェイがマネージングテクニカルパートナーとして、設計・開発の指揮を執ったニューマシンである。アストンマーティンにとっては、初のワークス体制だ。

 非公開で行なわれたバルセロナ合同テストは、1月26日~30日の5日間のうち、各チームが3日間を選択して走行するというスタイル。メルセデスAMGやレッドブルなど初日からテストを開始して100周を超える快走を見せたチームもあれば、マシンの完成がやや遅れ2日目や3日目からの走行開始となったフェラーリやマクラーレンのようなチームもある。

 そんななか、AMR26は完成が遅れた。マシン開発の最終段階で、さらなるテコ入れが加えられたとされる。

 テスト3日目にイギリスのファクトリーからスペインへ空輸し、その日の夜にサーキットへ持ち込んで夜通しの作業で走行準備を進めた。しかし、4日目の朝には間に合わなかった。

完成は遅れ、結局コースインを果たせたのは、4日目のセッションが終わる1時間前だった。

 登場したAMR26は、グラマラスなノーズ先端とは対照的に、その後方はスリムに跳ね上げられている。昨年の王者マクラーレンMCL39のような大胆なジオメトリー(サスペンションの取り付け位置や角度。マシンの姿勢を操るための設計)で、高くマウントされたフロントサスペンションとの間に大きな空間を形成する。

 そしてその後方のサイドポッドは、下半分を強くえぐり取り、フロアから浮かせるようにしてリアエンドまで気流の通り道を大きく確保した。そのコンパクト化の代償として、本来は大柄にならざるを得ないはずのロールフープのエアインレット(冷却風取り入れ口)とその後方のエンジンカバーも、AMR26は驚くほど細く、短く、コンパクトに絞り込まれている。

【最終日にアロンソが61周を走行】

 ホンダのパワーユニットをコンパクトにパッケージングすると同時に、作動可能温度領域を高くすることで冷却要求を下げ、ラジエター容量やボディの冷却・排熱開口面積を小さくすることによって、空力性能を追求することを可能にしたからだと見られる。

 これは昨年までレッドブルとの間でも追求し、貢献してきたことだ。完全新規設計となる今年は、基本コンセプト段階から車体側とパワーユニット側の連携が密に取られてきたからこそ、この驚異的なマシンパッケージングを成し得ることができたと言えるだろう。

 初日はインストレーションチェック(マシンの機能確認走行)を行なったあと、セッション終了直前の5周目で問題が発生して予防的措置でストップ。しかし、最終日は予定を変更してフェルナンド・アロンソにステアリングを託し、61周を走り込んだ。

「オフを終えてマシンに戻ってこられた時、本当にワクワクした。

僕らにとっては、本当に今回が初めての走行だったからね。中にはここに来る前にフィルミングデー(1日200kmまで許可される撮影目的のプライベート走行)で走っていたチームもあったけど、僕らにとっては今回が本当の初日だったから。

 そういう(走行初日という)意味ではポジティブな1日だったと思う。60周以上走ることができたし、マシンもきちんと反応してくれている。まだ初日だから、これからまだまだ伸びしろはあるよ」

 わずか1日のドライブを終えたアロンソは、マシンの挙動やパフォーマンスについての言及は避けた。

◆つづく>>

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