楽天・前田健太インタビュー 前編

 楽天に入団し、11年ぶりに日本球界に復帰した前田健太。昨年はマイナー(カブス傘下3Aアイオワ、ヤンキース傘下3Aスクラントン)での生活が続くなど不完全燃焼で終わったが、東北の地で心機一転、巻き返しをはかる。

 キャンプでの順調な調整ぶりがうかがえる前田に、現在のコンディションやピッチングで意識していること、オープン戦で取り組んでいきたいことなどについて聞いた。

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【「今の形を大きく変えることはない」】

――昨年はマイナーリーグで先発ローテーションを守っていました。その点で、先発ピッチャーとしてのコンディション調整は比較的スムーズなのでは?

前田健太(以下:前田) もちろんメジャーリーグでプレーするのが一番だったのですが、マイナーリーグで先発を任せてもらい、基本的に中4日、または5日のローテーションでシーズンのほとんどを回ることができました。そういう意味では、日本で先発としてプレーするにあたって、昨年の経験はすごく大きかったですね。

 それと、日本は中6日が多いと思いますし、少しゆとりが持てる。疲れをしっかり取った状態で試合に臨めるんじゃないかと思っています。

――メジャーで培ってきた取り組みや考え方などで、日本でも活かせそうな部分は?

前田 渡米以来、トレーニング方法や登板と登板の間の調整法に関しては、少しずつ変えながら毎年いいものを探してきたので、そういった取り組みを継続することでいい調整ができると思います。あと、最近は日本も多くのデータを活用していると思いますが、その部分はおそらくアメリカのほうが進んでいるでしょうし、データの活用の仕方も活かしていけるはずです。

――キャンプでは、現段階である程度球速も出ていますが、ピッチングのメカニクス(投球フォーム)に関して意識している部分はありますか?

前田 昨年、少し調子を落とした時にメカニクスが崩れていたのですが、そういった課題を解決できないまま引きずることなく、シーズン中に改善できたんです。自分の体の使い方などを再認識することができましたし、改善して以降もそれを継続できています。なので、メカニクスに関しては心配していません。

――そこからさらに改善していくというよりも、改善したものを継続していく感じでしょうか?

前田 そうですね。昨年はいろいろな投球フォームにチャレンジして失敗した部分がありますし、今の形を大きく変えることはないと考えています。

【経験値を活かし、楽天ピッチャー陣の牽引役に】

――NPB球へのアジャストも課題だと思います。特に前田投手は、さまざまな変化球を操るので気になるかと思いますが、調整具合はいかがですか?

前田 ブルペンでも、2月16日のライブBP(実戦形式の打撃練習)でも投げましたが、各球種の数字を見る限り問題はないかなと思います。回数を重ねるごとに徐々に感覚もよくなっていますしね。あと、忘れている部分も多いですが、過去に日本で投げている経験があるのでそれほど不安要素はありません。

 だいぶ前にはなりますが、日本でプレーしていた分、初めて日本に来てプレーする外国人選手とはまた違うと思うんです。日本球界も変わっている部分はありますが、基本的には問題ないと思っています。

――新たな変化球の習得や、今持っている球種の改善などはしていく?

前田 球種を変えたり、増やしたり減らしたりといったことはなく、今持っている球種の質をしっかり高めていき、あとは都度バッターを見ながら、という感じですね。日本のバッターの特徴は、個々によってもチームによっても変わると思いますが、打ち取り方のイメージをオープン戦で作っていけることが理想的です。

――体のケアやトレーニング方法で意識していることは?

前田 試合や実戦がないオフシーズンは、トレーニングを少し多めにします。キャンプに入ってからもトレーニングは継続していますが、キャンプだからといってそこまでトレーニング量は変えていません。先発ピッチャーとしてコンディションを維持するためのリズムを意識しているので、この日にはウエイトを入れて、この日は入れずに、といった具合でやっていくイメージです。

――オープン戦で試していきたいことは?

前田 NPB球を投げている感覚は問題ないのですが、試合で投げると動きが変わったり、感覚が変わったりします。

力みも出てくるので、そのあたりはしっかり調整していきたいです。あと、アメリカと日本のバッターでは、スイングやコンタクトの仕方、配球面などいろいろ変わると思うので、シーズンに入るまでに不安な部分をなくしていければなと。「自分はこうやって抑えていく」というものを、自分のなかで確立できればと思っています。

――先日の、初めてのライブBPの登板はいかがでしたか?

前田 味方を相手に投げるということで、「このボールで抑えよう」というよりも、自分の持っている球種を満遍なく投げて感覚を確かめる作業でしたが、ボール自体はよかったですね。ただ、味方だとインコースの厳しいところになかなか投げられない。今後オープン戦で登板していくにつれて、ピッチング自体も変わっていくと思います。

――チームを勝たせるため、ピッチング以外で心がけていることはありますか? 楽天は、海外FA権を行使していた則本昂大投手が巨人に移籍しましたし、ピッチャー陣を牽引する存在としても期待されているのではないでしょうか。

前田 とにかく、自分ができることをすべてやっていくしかないと思います。チームのなかで年齢が上のほうですし、経験値も高いとは思うので、いろいろ相談されれば答えたいと思います。あとは、結果でもチームを引っ張っていけるように頑張りたいです。

(後編:前田健太が対戦したいバッターを明かす 目標の「最低でも目指すべきところ」とは>>)

【プロフィール】

■前田健太(まえだ・けんた)

1988年4月11日生まれ、大阪府出身。PL学園では1年夏と3年春に甲子園に出場。

2006年高校生ドラフト1巡目で広島に入団。2015年オフにドジャースへ移籍し、2025年までMLBでプレー。昨オフに楽天への移籍を発表し、11年ぶりにNPBに復帰した。沢村賞2度、最多勝利2度、最優秀防御率3度、最多奪三振2度、ベストナイン3度、ゴールデングラブ賞5度など、多くのタイトルを獲得している。

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