「渋滞と事故」を予防する“約2秒”とは? GW渋滞“最大45km”ドライバーが注意すべきポイント
今年もゴールデンウィーク(GW)がすぐそこまで近づいてきている。
暦通りなら平日を挟むため最長4連休、計7日間。
しかし、4月28日、30日、5月1日、2日の4日間に有給を充てれば、 “奇跡の9連休”と呼ばれた昨年末~今年の年末年始を超える、11連休を手にした人も居るかもしれない。
大手旅行代理店のJTBは4月3日、「ゴールデンウィーク(4月25日~5月7日)の旅行動向」を発表。期間中の国内旅行者数は、物価高騰などの要因から、前年比92.8%と若干減少する見込みだが、それでも約2290万人が「リラックスする」あるいは「家族と過ごす」といった目的で旅行に出かけるようだ。

期間中、旅行者の63%が自動車を利用

前述の旅行動向によると、国内旅行者のうち、半数以上が移動に自家用車を利用すると回答。レンタカーをあわせると、63.0%の国内旅行者が、このGW期間中、車を利用する予定だという。
高速道路各社が発表した渋滞予測によれば、本年度のGW中は10km以上の渋滞が378回発生する見込み。特に、5月3日~4日には、中央道下りの相模湖IC付近で、最大約45kmの渋滞が発生すると予測されている。
各社は渋滞緩和のため、利用日や時間帯などの分散利用を呼び掛け。NEXCO東日本の担当者は弁護士JPニュース編集部の取材に対し、「4月29日の昭和の日前後が、渋滞が少ない予測となっており、移動の狙い目です」とコメントした。

約2秒の車間時間で渋滞と事故を予防

また、交通が混雑する時期は、通常と比べて事故件数が2~3割程度増加する傾向にあるという。前出の担当者は、次の3点を挙げ、渋滞緩和のためにドライバーができることについて説明した。
・上り坂での速度低下に注意する
・むやみな車線変更は控える
・前の車と十分な車両間隔を確保する
高速道路の渋滞で「3割増」事故発生リスク”を避ける運転マニュアル
特に、車両間隔については「高速道路が混雑してきたときには、前を走る車との間隔を“約2秒”空けることがおすすめです」と付け加えた。
これは欧米では一般的な「車間時間」と呼ばれる安全確認の方法で、標識や照明などを目印にし、前方車両が目印を通過してから自分の車両が通過するまでの時間を計測するというもの。

車間時間の計り方(「前車との間隔を2秒以上あけましょう」ドラぷら(NEXCO東日本)より)

約2秒の間隔をキープし続けることで、事故だけでなく渋滞の予防にもつながるという。

ほかにも、高速道路各社では渋滞に関する情報を随時HP等で発信している。出かける際には、こうした情報も参考にするとよいだろう。

運転前に確認すべき事項とは…?

だが、GWにドライバーが気を付けておくべきことはこれだけではない。
JAF(日本自動車連盟)によると、昨年のGW期間中(2024年4月27日~5月7日)のロードサービス出動件数は6万6643件に上った。
「過放電バッテリー」や、「タイヤのパンク、バースト、エアー不足」などが主な出動理由だが、JAFの担当者は「これらのトラブルは年間を通じて起きる可能性が高く、日常的に点検してほしい」と呼び掛ける。
「JAFのHPではタイヤの空気圧や、バッテリー液の量など、『 日常点検15項目 』を公開しています。こうした日常点検に加えて、タイヤやバッテリーが耐用年数を超えていないか、適切な交換時期はいつかを確認する必要もあるでしょう。
また、GW期間中は、帰省や旅行で高速道路などを利用した長距離走行の機会が増えることから、タイヤへの負担が考えられます。
走行中にタイヤがパンクやバーストをしてしまうと、他車を巻き込む事故に発展する可能性があり、大変危険です。
帰省などで久しぶりに車を運転する際は、必ず事前に点検を行いましょう」(JAF担当者)
さらに、高速道路においてはバッテリーやタイヤのトラブル以外にも「燃料切れ」がJAFの主な出動原因のひとつとなっている。
「GWなどの大型連休中は、激しい渋滞が起きることも多く、走行中に燃料が切れてしまうケースがあります。
事前に燃料を入れ、こまめに残量をチェックするとともに、出先では早めの給油を心がけることが重要です」(同前)
そのうえで、なんらかのトラブルが発生した場合の備えとして「停止表示器材」の用意をすすめる。
「高速道路を運転中、万が一、故障などで止まってしまった場合には、停止表示器材を路面上に置く必要があります(道路交通法75条の11第1項、道路交通法施行令27条の6)。
そのため、運転する際には停止表示器材(TSマークの付いたものが望ましい)を車内に置いておくとよいでしょう」

「疲労で注意力低下、ゆとりをもった運転計画を」

JAFの担当者は、こうした車の点検、準備だけでなく、運転するドライバーや同乗者に対しても、次のようにアドバイスを送る。
「高速道路では長時間の連続走行になりがちで、疲労によって注意力が低下します。適当な休息時間を入れた、ゆとりをもった運転計画を立てましょう。
また、出動理由の1つに、子どもやペットが車内に残されたままになってしまう『キー閉じ込み』があります。
気温が高くなるこれからの季節、車内に閉じ込められた場合は熱中症を引き起こす危険性があり、注意が必要です。『少しの時間だから』『寝ているから』などの理由で車内に子どもやペット、高齢者を残したまま車を離れることは絶対にしないようにしてください」
気象庁の予報によると、GW期間中、日本の広い範囲で平年並み、もしくはそれ以上の気温が見込まれている。車を運転する際には、安全運転を心がけ、車両の点検、準備に加え、体調面でも万全を期してハンドルを握ってほしい。


編集部おすすめ