
「イグナイト(IGNITE)」とは“火をつける”の意。
これまでのリーガルドラマとは一線を画す本作で、主演を務める間宮さんにインタビュー。宇崎の役作りや、共演者の印象に加え、もし「ピース法律事務所」のメンバーである伊野尾麻里(上白石萌歌)、高井戸斗真(三山凌輝)、轟謙二郎(仲村トオル)に弁護を頼むなら誰がいい? と質問。また25日の第2話放送に向け、ゲスト出演の宮近海斗さん(Travis Japan)の印象も聞いた。(取材・文=望月ふみ)
“30代の宇崎”というキャラクターに見合った『少年ジャンプ』の主人公感を
4月18日から放送がスタートしました。予告編での印象通り、とても面白くかっこよかったです。同時に、やはり単純な弁護士ドラマではないなと感じました。本作について聞く前に、間宮さんが「弁護士」にどんなイメージを持っていたか教えてください。
間宮祥太朗さん(以下、間宮):正直に言うと、“金銭的にも余裕がある”イメージでした(笑)。それだけエリートというか、その職業に就くのは大変なわけで、“狭き門”をくぐり抜けてきたからこそのイメージだと思っています。間宮さんはご自身が演じている弁護士・宇崎について、監督やスタッフと「『少年ジャンプ』の主人公感のあるキャラクター」だという共通認識を持って進めているとコメントされていました。間宮さん自身にも“『少年ジャンプ』の主人公”的な一面はありますか?
間宮:ないです、ないです(笑)! 自分は『少年ジャンプ』には出てこないですね。(笑)。間宮さんは俳優として、ファンタジーとリアルとのバランス力があるのが、魅力のひとつに感じます。本作もそんな間宮さんの力が存分に生きている気がします。
間宮:そうですね。最初に脚本を読んで打ち合わせをしたときに、「そのままストレートに(芝居を)するとちょっと違和感があるかもしれません」と正直に伝えました。『週刊少年ジャンプ』の主人公って、10代が多いですよね。だからこその良さもあると思っていて、30代の大人が地でやるとなるとちょっと難しいのかなと。もちろんドラマはフィクションの世界ですが、最近は、フィクションとして見ながらも、そこにリアリティーを求めることも少なくないですよね。
そうかもしれません。
間宮:「身の回りにこんな人がいたらどうだろう」という見方も増えていると感じています。30代でサラリーマン経験があって、転職をして弁護士になった宇崎というキャラクターが、あまりに『少年ジャンプ』のヒーローすぎると、見ている方が「え?」と冷静になってしまう可能性があるんじゃないかなと。なので、そこはファンタジーとリアリティーの接続として、“30代の宇崎”というキャラクターに見合ったヒーロー感ではどうかと、監督たちと相談していきました。
間宮さんが作り出す新たな“ヒーロー”像に注目(撮影:三橋優美子)
間宮さん自身が「ピース法律事務所」の誰かに弁護を頼むなら?
1話から法廷シーンもありましたが、撮影はいかがでしたか?
間宮:法廷シーンはもう集中力との闘いです。シーンの最初から最後までを何度も撮影するんです。たとえば、ワンカット長回し1回の撮影だったら、集中力も持つんですけど、全体を俯瞰(ふかん)で最初から最後まで撮った後に、それぞれの登場人物を狙ったショットを撮る。その度に、登場人物全員が、最初から最後まで同じ芝居を繰り返していくんです。
聞いているだけで大変そうです。
間宮:短いシーンだったらいいんですけどね。セリフが長い法廷シーンだと、ゲシュタルト崩壊みたいに、セリフが合っているのか間違っているのか分からなくなるような瞬間もあります(苦笑)。アクションシーンもある作品ですが、法廷シーンではそうした緊張感、集中力の持続に関しての苦労を感じています。
「ピース法律事務所」のメンバー左から宇崎、轟、伊野尾、高井戸(©BABEL LABEL/TBS)
さて、「ピース法律事務所」には個性的なメンバーが集まっていますが、間宮さんなら、誰に弁護を頼みますか?
間宮:自分だったら高井戸(三山凌輝)ですね。優秀で、あまり私情を挟まない感じがするので。宇崎は嫌です(笑)。あはは。宇崎は自宅にも押しかけて来そうですものね。
間宮:「俺、それ許せないっす!」とか言われて、自分以上に感情的になられると一歩引いてしまうかもしれません(笑)。轟さん(仲村トオル)はちょっと怖いですね。“相当ふんだくられるんじゃないか”という部分もありますし(笑)。伊野尾(上白石萌歌)は悪くないんだけど、ユーモアがありすぎて少し変わっているので、事務的なお付き合いをするなら、やっぱり高井戸が一番いいかなと思います。
間宮さんと三山凌輝さんは系統が似ている?

宇崎と高井戸は正反対のキャラクターに見えるが…(撮影:三橋優美子)
高井戸を演じている三山さんは、素顔は宇崎っぽい熱さも持っている方なのかなというイメージがあります。
間宮:熱いというか、明るいですね。彼が宇崎を演じても魅力的になるんじゃないかと思いますよ。凌輝と僕が同年代だったら同じ役を食い合っている気がします。そうですか!?
間宮:凌輝とも話してたんです。顔とか役者としての雰囲気、系統が似てるよねって。同じ年齢くらいだったら、同じ役を狙っていたのかなと感じます。逆に僕がもう少し下の年齢だったら、高井戸みたいなキャスティングもあったのかもしれませんね。凌輝といえば、第2話のゲストの宮近海斗くん(Travis Japan)に助けられたんじゃないかなと思います。
というと。
間宮: 1話の法廷シーンでは、メインキャストで傍聴席にいたのは凌輝だけだったんです。翌日、続けて第2話の撮影があって、その日は凌輝の近くに宮近くんもいました。ふたりで何を話していたかはわかりませんが、長い撮影時間なので、精神的にだいぶ助けられたんじゃないかなと。
間宮さんは、宮近さんにはどんな印象を持ちましたか?
間宮:ずっとニコニコしている子でしたよ。勝手にもっと元気いっぱいなタイプというイメージだったんですけど、静かにニコニコしていました(笑)。
第2話ゲストの宮近海斗さん(©BABEL LABEL/TBS)
説明しすぎの作品より、「奥にあるものをつかんでいく楽しさのほうが好き」
第2話の物語としての見どころを教えてください。
間宮:大学のラグビー部に所属している兄弟の話で、宮近くんが弟役です。お兄さんがいじめを受けていたのではないかというところから、僕らイグナイトメンバーが訴訟を焚きつけていきます。第1話もそうでしたが、最初見えていた問題の上に、さらにもうひとつ問題があって、そこがだんだん明らかになっていく…。そのもうひとつの問題を明らかにするために、裁判を仕掛けていくというのが、この作品の面白いつくりになっています。
今作のオファーを受けた際はどのような気持ちでしたか?
間宮:今回、BABEL LABELさんとご一緒できるということがまずとても楽しみでした。やっぱり映像の質が違いますし、とてもかっこいいですよね。そこに信念があるのを感じます。そうですね。とてもかっこいいです。
間宮:映像を見たときの説得力がすごいですよね。僕が視聴者としてドラマや映画を見るときは、作品の奥にあるものを自分でつかんでいくことが好きで、BABEL LABELさんの作品にはそれができる楽しさがあると思います。最後に、今後の展開を少し教えてください。
間宮:序盤はそれぞれに「お!」となるゲストが登場して、1話完結のストーリーが進んでいきます。今後は、宇崎、轟、伊野尾、高井戸のイグナイトメンバーたちの“これまで”のこともだんだんと見えてきて、物語が深くなっていくので、そこも面白いと思います。
ドラマは今後どんな展開を見せるのか…目が離せない(撮影:三橋優美子)
■放送情報
金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』
TBS系にて、毎週金曜よる10:00~10:54放送
出演:間宮祥太朗、上白石萌歌、三山凌輝 / りょう、及川光博、仲村トオル
企画・プロデュース・脚本:畑中翔太
脚本:山田能龍、山口健人
法律監修:福島健史
音楽:森優太
主題歌:B'z「恐るるなかれ灰は灰に」(VERMILLION RECORDS)
プロデューサー:山田久人、瀬崎秀人、駒奈穂子
編成:松本友香、杉田彩佳
監督:原廣利、山口健人、吉田亮
製作:BABEL LABEL、TBS
ⒸTBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ignite_tbs/
公式X(旧Twitter)@ignite_tbs
公式Instagram:ignite_tbs
公式TikTok:@ignite_tbs
取材・文/望月ふみ
撮影/三橋優美子
ヘアメイク/三宅茜
スタイリスト/津野真吾(impiger)
衣装協力/KHONOROGICA、NEPHOLOGIST、BARNSTORMER、YOAK