どこからが浮気か――。人それぞれの価値観や時代によって線引きが異なるこの問いは、“永遠のテーマ”かもしれない。

東京都内の弁護士事務所が先月実施した調査によると、最多は「恋愛感情を抱いている(23.8%)」。「肉体関係(22.9%)」「キス(19.3%)」「手をつなぐ(15.1%)」といった身体的な接触を上回る結果となった。
調査を行ったのは、浮気・不倫トラブルの解決に多く携わる「弁護士法人mamori」。日本全国の20~40代の男女550人がWEBアンケートに回答した。

浮気を「許せる人」の割合は?

同調査によると、実際に浮気をされた経験がある人は14.7%。「曖昧なことがあった」と回答した人は13.6%で、「ない」が55.9%、「過去に付き合ったことがない」は15.8%だった。
浮気の線引きについては「LINEやSNSでの頻繁な連絡(9.3%)」「2人きりで食事(8.9%)」など、身体的接触をともなわず、明確な“裏切り”といえるか曖昧な行動についても一定数が「NG」としており、「恋愛関係における『不信感の閾値(しきいち:ある現象が起こるかどうかの境目となる値)』が下がってきている可能性」が示唆されている。
では実際に浮気された場合、パートナーを許せる人はどのくらいいるのだろうか。結果は次のようになっている。
  • 肉体関係があったら絶対に許せない(25.8%)
  • 気持ちが移っていたら許せない(23.3%)
  • 状況次第で判断する(22.9%)
  • 特に決めていない(18.2%)
  • 1回だけなら許せるかも(3.5%)
  • 反省してくれたら許す余地はある(4.9%)
  • どんな浮気も許せる(0.9%)
さらに、浮気が発覚した後の対応は、「一度は話し合ってから別れる」が30.4%で最多。一方、「即別れる」も23.3%と2番目に多い回答となった。
また「浮気相手に慰謝料を請求する(6.4%)」「法的な手段を検討する(6.0%)」と、法律による解決を望む回答も一定数あった。

浮気は「法的な観点からも整理できる問題」

浮気の証拠として有効だと思うものについては、「LINEやSNSのメッセージ(70.4%)」「写真や動画(70.4%)」がともに7割を超える結果に。
「探偵の報告書」も34.9%の回答があり、「“法的手段を見据えた証拠”への理解も一定層に広がってきています」(同調査より)と見解が述べられている。
弁護士法人mamoriの代表弁護士・日比野大氏は、調査結果に寄せたコメントで「今回の調査からは、多くの方が『どこからが浮気か』『許せるかどうか』に明確な答えを持てず、モヤモヤしたまま悩みを抱えている現状が見えてきました」と指摘。
その上で、浮気は単なる感情のもつれではなく「法的な観点からも整理できる問題」であるとしている。


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