ドライバーが恐怖感じる“自転車の3大NG走行”とは? 「これだけはやめて…」やりがちな“ヒヤリ”行為を専門家が指摘
2026年4月1日から【自転車の交通違反に対する交通反則通告制度】の運用がスタートする。いわゆる「青切符」の対象に自転車を加えることで、利用者の法令順守に対する意識を高めることなどが主な狙いだ。

首尾よく、「危険な運転は道路秩序を乱す」という認識が自転車ユーザーにも浸透し、歩道/車道の快適走行が実現すればいいが、違反行為に対し、「捕まって罰金を払うのが嫌だから」という理由が先行してしまう懸念もある。
そこで、公道の安全走行実現を踏まえ、ドライバー視点で「これだけはやめてほしい」自転車の3大NG行為を提議する。(自動車コラムニスト:山本晋也)

クルマの安全走行を阻害する自転車の3大NG行為

私はドライバー(四輪ユーザー)であり、ライダー(自動二輪ユーザー)であり、サイクリスト(自転車ユーザー)でもある。どの視点からでも思うところがあるが、ここでは、「安全な走行のためにできることはなにか」について考えてみたい。
特に「ドライバーと自転車ユーザーのトラブルを防ぐ」という観点で、運転席から「ヒヤリ」とする自転車の走行場面を3点に絞り、「NG行為」として挙げてみる。
ひとつ目は「短距離での逆走」だ。

歩道を飛び出して、「少しだけ」のつもりの車道逆走はとても危ない(StudioR310 / PIXTA)

自転車が車道を走るときは四輪車などと同じ左側通行が明確なルールとして定められている。つまり右側通行は反則行為となるのだが、自転車走行可の歩道(車道から見ると右側通行サイド)を走っている自転車が、歩行者を避けるために車道に出てくるとき、瞬間的に逆走しているケースが見受けられる。
自転車ユーザーからすれば「ちょっと車道にはみ出しただけ」と思うかもしれないが、逆走により自転車が向かってくるという状況はドライバーにとっては恐怖を感じる。
さらにキープレフトで走っている自転車やライダーにしても正面衝突の危機さえ感じるのではないだろうか。
歩道が混み合っているからと車道に出て、混雑を避けたくなる気持ちは理解できる。だが、そういう時は少し気持ちに余裕をもち、自転車を降りて押す(歩行者の扱い)なり、面倒でも車道の進行方向側へ移動して左側を走行するなり、安全を第一に考慮した運転をしてほしい。
2つ目は「高齢者の車道走行」だ。

70歳以上の高齢者は自転車での歩道走行が許されている。これは体力や判断力の低下なども考慮し、さまざまな意味での危険性を軽減するための例外規定といえる。特に高齢者は転倒時に大きなケガや命にかかわる状況に陥りやすい。
マジメな高齢者ほど「自転車は車道を走らねば」と考えてしまうのだろうが、自転車で車道走行に危険を感じるときは安全最優先で歩道を走るという選択をするのが賢明だろう。
3つ目が「信号待ちでのすり抜け」だ。

自動車をすり抜け先頭で待たれるのはドライバーにとって×(silakan / PIXTA)

自動二輪が信号待ちで四輪車の先頭に立ったとしても、その後の加速性能が四輪車を上回っていることが多く、ドライバーからすれば、「先を行かれる」ことを眺めていればいい。
ところが、自転車がすり抜けをした場合、事情が違ってくる。人力の軽車両に先頭に立たれても、多くのケースで四輪車は信号の先で自転車を追い越すことになる。
四輪車からすると、自転車を“安全”に追い越す・追い抜くことは結構難しい。自転車がふらついても接触しないだけの車間をとらなければならないし、そのためには対向車との位置関係を考慮する必要もある。
特に若葉マークをつけている初心者ドライバー、もみじマークをつけている高齢ドライバーにとっては瞬時に複数の判断を求められ、難易度が高いのだ。
裏を返せば、自転車ユーザーにとっても事故リスクが高まる行為といえる。
目的地に早く着くためには、赤信号ですり抜けをして少しでも距離を稼ぎたい気持ちは理解できる。だが、自身の安全を守るためにも、信号待ちでのすり抜けは危険を伴うと認識し、できる限り自重してほしい。

ドライバーに意識してほしいこと

四輪車ユーザーに意識してほしいこともある。混合交通における弱者保護のマインドだ。
ともすれば「速いほうがエライ」という感覚で、四輪車の方が自転車よりヒエラルキーが上と認識しているユーザーが多いように見受けられる。SNSなどでは自転車を邪魔者扱いするドライバーも少なくない。
しかし、混合交通は法律で認められている。その中で事故を防ぎ、スムーズな交通を実現するためには、「速い自動車に乗る人ほど、安全意識を高くする」必要がある。車体が重いほうが衝突時の衝撃が激しい。だから事故を起こした時に与える被害も大きい。運転免許保有者として、そうした認識を持ってしかるべきだろう。
自転車ユーザーにフォーカスすれば、単に「反則金を納めたくない」という自己防衛の意識だけでなく、互いがスムーズに走れるようになれば道路全体の安全性が高まり、歩道を走行せずとも快適な移動が可能になる。
そうしたより広い視点から、ルール順守の乗り方をしていくことが理想ではないだろうか。


なお、【自転車の交通違反に対する交通反則通告制度】が実施されても、飲酒運転(酒酔い運転、酒気帯び運転)は軽微な反則ではない。従来通りに“赤切符”の対象だ。
この機会に、併せて再確認しておきたいところだ。
■山本 晋也
1969年生まれ。編集者を経て、2000年頃よりフリーランスとして活動開始。過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コラムニストとして執筆活動を継続中。二輪と四輪のいずれも愛車とする視点から次世代モビリティを考察するのもライフワークのひとつ。


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