石破政権の経済対策(13.9兆円)を大幅に上回る21.3兆円規模で、政府・与党は財源の裏付けとなる2025年度補正予算案を12月上旬に臨時国会へ提出し、年内成立を目指している。
この閣議決定では、OTC類似薬を含む薬剤の自己負担について「現役世代の保険料負担の一定規模の抑制につながる具体的な制度設計を2025年度中に実現した上で、2026年度中に実施する」と明記。
一方で同日、10万人を超える医師・歯科医師で構成される全国保険医団体連合会(保団連)、新日本婦人の会、難病患者当事者や家族らが会見を開き「OTC類似薬が保険適用外となれば薬剤費が20~30倍に増加し、必要な薬が使えなくなる」として、政府の決定に抗議した。
当事者の意見や実態調査せず決定
OTC類似薬とは、医療用医薬品のうち、市販されているOTC(一般用医薬品)と同じ有効成分や類似した効能を持つ薬のこと。解熱鎮痛薬、抗アレルギー薬などが該当し、これらは通常、医師の診察と処方箋を経て、健康保険で安価に手に入るが、ドラッグストア等でも全額自己負担で購入可能だ。
この日、会見に出席した保団連の本並省吾事務局次長は、補正予算編成で経済・物価対策と同列に、薬の自己負担を増やす施策を明記したことを「前代未聞」と批判。
「多くの患者・国民の健康や社会生活に影響する薬剤給付の自己負担を、当事者の意見や実態を調査せず、健康への影響を一切明らかにしないまま閣議決定した」として強く抗議した。
1万2000人超のアンケートが示す「生活崩壊」の実態
会見では難病患者家族の大藤朋子さんが中心となって実施したアンケートの集計結果も発表された。有効回答数は1万2301件に上り、寄せられた具体的事例は7295件。回答者の約85%が20代から60代の現役世代で占められ、全体の90%がOTC類似薬を保険適用外とすることに「反対」と回答した。
OTC類似薬が保険から外された場合の懸念として、84.9%が「薬代が高くなる」と回答。6割は「医師に診てもらわずに自己判断で薬を買うようになる」ことを懸念し、半数超が「薬が必要量用意できずに症状が悪化する」「必要な時にドラッグストアや薬局で購入できるとは限らない」と答えた。
また、「飲み合わせによる副作用」(55.3%)、「病気の見逃し、早期発見の遅れ」(50.8%)を心配する声も多く、市販薬での自己判断による健康リスクへの不安が広がっている。
「保険料軽減は月100円、薬代負担は年12万円増」の矛盾
本並次長は、OTC類似薬の医療費総額(2024年度、48兆円)に占める割合は最大でも2%(7000品目、1兆円)であり、医療費増額の要因とする根拠はないと指摘した。日本維新の会が4月17日に自民党・公明党との3党協議で提案した28有効成分のリストによる薬剤費総額は1523億円。これを保険適用外としても、「国民1人当たりの保険料は年間で1200円程度、月額にすると約100円の軽減にすぎない」というのが保団連の主張だ。
一方、日本アトピー協会が試算したアトピー性皮膚炎患者の負担増額は月額で約1万円、年間で12万円にも上る。
「今現在OTC類似薬を処方されている患者さんは、安い後発医薬品を使用することで、日常生活を維持しつつ、医療費抑制に協力してきました。
そうであるにもかかわらず、薬剤費の大部分を占める新薬や高額薬剤には踏み込まず、これまで国に協力してきた患者さんのはしごを外すような政策は、これまでの国の方針とも矛盾しますし、物価高対策、積極財政を掲げる高市政権とも反しているのではないでしょうか」
「生きていくために必要な制度を残してほしい」
会見では、25年間にわたり神経の病気を抱えるAさんと、2人の子供を育てるBさんがそれぞれ切実な思いを語った。Aさんは両腕の痛みとしびれに苦しみながらも、鎮痛剤やその副作用を抑えるための薬剤などの薬を服用して日々の生活を送っている。
これらの薬はいずれもOTC類似薬であり、保険適用外となれば、月1万円以上かかる薬代がさらに跳ね上がり、生活の維持が困難になるといい「保険外しは命に関わる問題」「生きていくために必要な制度を残してほしい」と、切実な思いで反対の声を上げたという。
また、Bさんは「OTC類似薬の保険外しは少子化対策や子育て支援にも逆行する」として、次のように訴えた。
「息子は全身アトピーと複数のアレルギーがあり、薬を毎日飲み、(OTC類似薬である)ヒルドイドを全身に塗らないと眠れない。娘も花粉症で点眼薬や点鼻薬が欠かせず、健康保険や子ども医療費助成に支えられてきました。
薬は嗜好品ではなく、払えないなら処方してもらわなければいいというものではありません。
ですが、健康保険や子ども医療助成の適用外となれば、子どもに必要な量の薬を確保できるのか不安が残ります」(Bさん)
「丁寧な議論経ず、結論ありきで方向性決定」
本並次長は会見の終盤、今回の「保険外し」が「政治マター」として進められている異常さを指摘した。「通常であれば、このような議題は、厚労省が審議会で医療関係者、患者などと丁寧に議論して方向性を決めていくはずです。
ところが今回は、日本維新の会が補正予算をめぐる閣議決定で『実施』を明記させることを要望し、金額ありき、結論ありきで進められました。これは医療の現場感覚とは大きくかけ離れた、イレギュラーな進め方です。
この問題はまだあまり国民にも知られていませんが、ぜひ多くの人にこの問題を知ってもらい、幅広く議論してほしいと思います」

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