ほっかほっか亭のX投稿が思わぬ形で“炎上”した。
運営会社である株式会社ほっかほっか亭総本部(以下、ほっかほっか亭)の公式Xが21日、一般ユーザーが漫画の一コマを添えて投稿したポストを引用リポストした。

当該画像は、いがぐり頭の少年がカレーライスを「うめ」「うめ」とおいしそうに口にする場面だった。
この一コマだけをみると、ほっかほっか亭のお弁当を食べたくなるような、微笑ましく、食欲をそそるような投稿にしか思えない。ところが、コマには続きがあった…。
実はこの心が温まるようなカレーを食するシーンの後、その少年は毒ガスで殺されてしまう。カレーに毒が入っていたわけではないが、その後の展開を考えれば「不謹慎だ」として、一部から投稿が不適切であるとの指摘が相次いだ。

元ネタマンガの「文脈」を弁えない投稿? 翌日に「お詫び」

元ネタは、徳弘正也さんの『狂四郎2030』(集英社)。核戦争後の2030年を舞台に、遺伝子管理された世界で生きる主人公の狂四郎が、現実とバーチャルを往来しながら真実の愛を探す物語だ。
カレーを食べるシーンでの少年は食事をほとんど与えられず、飢えた状態。そんな時に許されたカレーをほおばっていた。
こうした作品の内容を知っている人は、ほっかほっか亭の投稿を「分かっていっているのか…」「このあと毒ガス訓練か」「原作ぜんぜん笑えない」と不安や否定的ニュアンスで“指摘”。
ただならぬ空気を察知したのか、ほっかほっか亭もすぐに対応。次のような「お詫び」を投稿した。
「昨日、弊社公式X(旧Twitter)からの投稿に関しまして、多大なるご心配とご不快な思いをおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
投稿の際、引用した画像が漫画作品の一コマであることに加えて、 十分に理解せぬまま、引用リポストを安易に行ってしまいました。
ユーザーの皆さまへの配慮に欠けた、企業公式アカウントとして極めて不適切な振る舞いであったと深く反省しております。
当該投稿につきましては、既に削除いたしました。
今後は二度とこのような事態を招かぬよう、投稿前の確認プロセスおよびコンテンツの取り扱いに関する社内教育を根本から見直し、誠実な情報発信に努めてまいる所存です。
ご不快な思いをされた皆さま、ならびに作品の関係者様に重ねてお詫び申し上げます。

株式会社ほっかほっか亭総本部」

「お詫び」への反応は?

迅速な対応に、投稿でも「可哀そうではある。でもまぁ、早めの真摯な謝罪があったからだけど」「なんで企業にはこんな厳しいのかな」「カレー自体は毒とか入ってない美味しい普通のカレーのシーンなのよね。子供が死ぬ所描いたショッキングなシーンではあるものの、なんでもかんでもクレームつけて潰せばいいってのはやっぱりおかしいと思う」といった同情の声も少なくなかった。
実際のところ、企業はこうしたケースでどのように対応すべきなのか。

初期対応のポイント…デマや過度な攻撃への対応も重要

SNSでの炎上発生時は、まず事実関係を確認する必要がある。発言や投稿に誤りや不適切な表現があった場合は、その点を認め、速やかに削除ないしは修正の措置をとったうえで謝罪し、原因と改善策を明確に示すことが求められる。なお、虚偽情報が拡散している場合は、正確な情報を速やかに公表し、誤解を解く必要がある。
なお、今回のケースと直接関係ないかもしれないが、炎上に乗じて悪質なデマや過度な攻撃が行われ、それにより信用が著しく損なわれている場合は、書き込みの削除請求、投稿者の特定、損害賠償請求などの法的措置を検討する必要があるだろう。

この観点から「お詫び」投稿の文面をみると、今回、ほっかほっか亭は、再発防止策を講じる姿勢を示しており、それが奏功して、収束に向かいつつあるようにも見える。
とはいえ、ほっかほっか亭は昨年のエイプリルフールに、公式Xで「米の価格高騰を鑑みて、本日より全国のほっかほっか亭全店舗にてライスの販売を停止します」(原文ママ)と宣言。実際にコメ問題が社会問題化していたこともあり炎上し、お詫び文書を投稿したという前歴もある。
再発防止には投稿内容の事前チェック体制の構築、複数人による確認、メディア対応ルールの整備と徹底が求められそうだ。


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