衆院選(2月8日投開票)の期日前投票が始まった1月28日、日本労働弁護団が都内で会見。各政党に対して実施した労働政策に関するアンケート調査の結果を公表した。

アンケートは1月19日に呼びかけたもので自由民主党、立憲民主党(現中道)、公明党(現中道)、共産党、国民民主党、れいわ新選組、日本維新の会、社民党、参政党、日本保守党、チームみらいの合計11政党に打診。
設問は「長時間労働防止」や「ハラスメント防止」などをテーマにした全18問で、チームみらい、参政党、日本保守党からは1月27日までに回答がなかったという。また、1月24日に結成された減税日本・ゆうこく連合はアンケートの送付が間に合わなかったという。

連立組む自民・維新で回答に差

時間外労働の上限時間の規制を強化し、さらに引き上げることに対する賛否について問うた設問では、自民党と中道はその他と回答。他の5党は賛成と回答したため、連立を組む自民党と日本維新の会の間で差が出た。要旨は以下の通り(日本維新の会は賛成とのみ回答)。
自民:「時間外労働の上限規制は原則として月45時間、かつ年360時間、臨時的な特別の事情がある場合でも720時間等とされており、これらの規定は罰則により担保されています」
中道:「柔軟な働き方を選べる環境を整えつつ、過度な長時間労働や実質的な強制残業を防ぐため、労働時間の上限規制や健康確保措置は堅持・強化します」
共産:「上限は、例外なく『週15時間、月45時間、年360時間』に規制します。割増賃金増による抑制も必要です」
国民民主:「いまだ解消されない多くの業種の深刻な人材不足を解消するためにも実効性のある規制を設けます」
れいわ:「実効性を担保するために上限を規制するだけではなく、並行して日本で横行している『サービス残業』対策のための労働時間の適正な把握なども必要となります」
社民:「特別条項付き36協定は過労死ラインを制度的に容認し不十分です。上限引き下げ、特別条項廃止、違反企業への罰則強化で例外常態化を是正すべきです」

「ズレをどうするのかは疑問残る」

なお、全18問を通じて、自民党と日本維新の会の回答が一致したのはわずか3問のみ。
会見に出席した佐々木亮弁護士は「長年政権を担ってきた自民党の場合、どうしても慎重な回答になる部分はあると思う。一方で、日本維新の会は歴が短いため、ズレが生じるのだろうが、設問によっては真反対の回答もあったので、そのズレをどうするのかは疑問が残る」とコメントした。

「ハラスメント防止法」制定、自民・中道は立場明かさず

続いて、パワハラやセクハラ、マタハラ、カスハラなど、あらゆるハラスメントを禁止する包括的なハラスメント防止法を定めることへの賛否については自民党と中道が賛成反対いずれの立場も明記しなかった。回答の要旨は下記の通り。

自民:「パワハラを禁止する 『労働施策総合推進法』などの運用を徹底すべき」
中道:「ハラスメント行為そのものの禁止規定を設けることについては、対象となるハラスメント行為の定義などに関して、検討を深めることが必要であると考えています」

維新含む与野党5党は賛成

一方で、日本維新の会を含む与野党5党は賛成と回答している(下記は回答の要旨。維新は賛成とのみ回答)。
共産:「包括的なハラスメント防止法をつくり、ハラスメントの定義、禁止規定を明記し、補償や救済措置を規定することが必要です」
国民民主:「ILO190号条約の批准に向け、職場におけるハラスメントを法律で禁止すること、また、保護の対象を雇用労働者以外にも拡大する法整備を進めます」
れいわ:「ハラスメントの定義や認定については改善が必要です。ハラスメントの禁止は当然ですが、その認定のための適切な基準などを見直し、整備することも必要です」
社民:「あらゆるハラスメントを明確に禁止し、『努力義務』や事後対応にとどめず、人権侵害として根絶するためにも、被害者を実効的に救済する包括的なハラスメント防止法の制定に賛成します」
今回のアンケート調査では、ほかにも「正規・非正規格差等を解消するための更なる法整備の要否」「解雇の金銭解決制度導入への賛否」「転居を伴う配転命令の規制強化に対する賛否」などについて各党が回答。 日本労働弁護団のHP 上で公開されている。


編集部おすすめ