- 指示を聞かない
- 自分のやり方に強くこだわる
- 大声で反論をする
実に9年もの間、こうした従業員に悩まされ続けた会社が解雇に踏み切った。
この従業員は「解雇は無効だ」と提訴したが、裁判所は「独善的な姿勢が顕著だ」として「解雇は有効」と判断。
以下、事件の詳細について、実際の裁判例をもとに紹介する。(弁護士・林 孝匡)
事件の経緯
製造業を営むX社で、Aさんは入社して1年も経たないうちから問題行動を起こしていた。そして入社から約9年後、X社は解雇に踏み切った。Aさんの問題行動は以下の通りだ。
■ 強いこだわり
Aさんは、自己の担当業務に関連しない抽象論に執着する傾向があった。たとえば、請求書発行のフローを整理する際も「そもそも一般的に請求とはどのような業務なのか」「なぜわが社ではこのビジネスを行っているのか」といった本質論を盾に、「これらを理解していないので資料の作成ができない」と反論して業務を停滞させた。
■ わがまま
Aさんは、自分の意に沿わないと攻撃的な態度をとることがあったため、プロジェクトチーム内の人間関係が悪化することがあった。
■ 責任転嫁
自己の業務と無関係な質問を重ね、「自分の質問に真摯に向き合ってくれないため課題が進められない」「必要なことを教えてくれない」などと主張。業務が滞る原因は周囲にあるとして、一方的な非難を繰り返した。
■ ペットボトルで机を叩く
上司との面談でコミュニケーション能力の欠如を指摘された際、Aさんは「同僚に問題がある」と反論。さらに、「自分には一切非がないにもかかわらず仕事の内容をよく知らない人事担当者が自分を悪者扱いしている」「具体的なコミュニケーションの取り方を教えないでコミュニケーションの取り方を是正するよう求められてもできるものではない」などと主張し、ペットボトルで机を何度も叩いた。
■ 業務に関係のないメールの送信
たとえば上司に対して、他の社員の結婚に関するメールを執拗に送信。上司が注意するも聞き入れず、同様の送信を繰り返したばかりか、「同僚に虚言癖がある」といった内容まで送りつけた。
■ 暴行
上司が産業医との面談を促したところ、Aさんは大声を出してこれを拒絶。さらに、複数の社員が居合わせる前で、上司の右腕を叩くという暴行に及んだ。
ここに挙げた事例以外にも、Aさんの問題行動は枚挙にいとまがなかった。改善の兆しが見えないまま約9年が経過し、X社はついに、以下の就業規則に基づき解雇を断行した。
【就業規則】
技能または能率が極めて低く、かつ上達または回復の見込みが乏しいかあるいは他人の就業にさしつかえがあるなど、現職務またはこれに準ずる職務に就業させるのに著しく適さないと認められるとき
この決定に納得できないAさんは、「解雇は無効だ」として提訴した。
裁判所の判断
裁判所は「解雇は有効」との判決を言い渡した。まず、裁判所が認定した事実は以下の通り。
- 自己の担当業務と関連しない抽象論やあるべき論に固執して、担当業務を円滑に進捗することができず、面談等において指導を受けながらこれに従わなかった。
- 平易な課題設定がされた上、特別な支援体制が敷かれ、手厚い指導がされたにもかかわらず、課題達成に必要のない自己の見解に固執して、課題を達成することができなかった。
- フレックスタイム制の下で業務を円滑にするため、午前9時を過ぎて出社する場合には事前に連絡するよう指導されていたのに、就業規則等によってもその取扱いの必要性が明らかでないという独自の見解に基づいて、事前連絡なく午前9時までに出勤しないことを繰り返した。
- 上司に対して、業務に関係しない不適切な内容のメールを繰り返し送信し、その中には、他の社員を誹謗中傷する内容のものも多数あった。上司から「業務の妨げになるのでそのようなメールの送信を止めるよう」繰り返し注意指導を受けたにもかかわらず、上記のメールの送信を止めなかった。
- Aさんが、裁判の本人尋問において、「上記のメールが不適切な内容のものとは考えていない」旨供述している。
裁判所の叱責は止まらず、次の事実も認定している。
- Aさんは、担当業務の遂行について特別な支援体制が敷かれ、手厚い指導を受けながら、自らの姿勢や考え方を一切顧みることなく、Aさんが担当業務を円滑に遂行できないのは、もっぱら周囲の指導不足によるものである旨の他責的な言動を繰り返した。
- 自らの問題点を指摘されたり、自らの意に沿わない指導等を受けたりした場合に、大声を出す、机を叩く、暴行に及ぶなど、感情的かつ攻撃的な態度をとった。
- これにより職場の同僚がAさんを怖がることとなり、上司がAさんに対する指導を躊躇せざるをえない事態となった。
さらに、裁判所による問題行動の指摘は続く。
- 同僚から机の整理整頓を指摘された際の会話をX社から貸与されたスマートフォンで無断録音しその音声データを上司に送信した。
- 他の社員の外出する姿をX社から貸与されたスマートフォンで無断で撮影し、その社員が飲食に出かける場面であるとしてその写真を上司に送信した。
■ X社は努力を尽くしていた
上記のような問題社員であったにもかかわらず、X社は、約9年間にわたり、Aさんの配属や担当業務を変更してAさんが行うべき業務の水準を下げる一方で、特別の支援体制を敷くなどして継続的に指導を行い、Aさんの不適切な言動に対しても注意指導を繰り返してきた。
裁判所は、こうしたX社側のAさんに対する配慮を認定して、「X社は、Aさんの雇用を継続するための努力を尽くした」とし、「本件解雇が社会通念上の相当性を欠くとはいえず、有効である」と結論付けた。
最後に
単に「仕事ができない」という程度の理由で解雇が適法となることはないが、本件のように「指導を受けても態度を改めない」「自分の問題を認めず、他責的な言動を続ける」などの事情があった場合、その有効性が認められる可能性が高い。しかし、会社はよく9年間も我慢したものだと思う。もう少し早く解雇に踏み切っていても法的に問題とならなかったかもしれない。問題社員を抱えている会社の参考になれば幸いだ。

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