競泳男子・リオ五輪銅メダリストの瀬戸大也選手と、飛び込み女子元世界選手権代表の馬淵優佳さんが今月10日、離婚したことをお互いのSNSで発表した。
2020年には週刊誌によって瀬戸選手の不倫が報じられたが、当時は婚姻関係を続けた2人。
時間を経て今年、離婚という大きな決断に至ったようだ。
2人の離婚理由については明かされていないが、一般論として、不倫発覚後に婚姻関係を続けていた場合でも、その不倫を理由に離婚することは可能なのか。また、過去の不倫の慰謝料はいつまで請求できるのだろうか。

「離婚は事の顛末を見極めてからでも遅くはない」

瀬戸選手と馬淵さんは2017年に結婚。馬淵さんは結婚を機に現役を引退し、2人の子どもに恵まれた。
しかし、2020年に『週刊新潮』(9月24日発売号)によって瀬戸選手の不倫が連続で報じられ、航空会社に勤務するCA、地方在住の女性、高級クラブのホステスなどさまざまな女性との関係が明るみに出た。
その結果、瀬戸選手は日本水泳連盟から一時的な活動停止処分を受け、馬淵さんも謝罪コメントを出す騒動となった。
馬淵さんは当時、雑誌『FRaU』(20年10月19日配信)のインタビューで〈離婚をするのは、事の顛末を見極めてからでも遅くはないと思うようになった〉と心境を吐露し、婚姻関係を続ける決意を語っていた。
しかしパリ五輪が行われた2024年、『週刊文春』(11月28日発売号)は2人が弁護士を立てて離婚協議を開始したと報じた。
一度は許した馬淵さんが、4年の間に「事の顛末」を見極めたということか。2人の離婚の理由が実際には何であったかは、第三者は知る由もない。
一般的に、双方が合意する「協議離婚」であれば、どんな理由であっても離婚は成立する。しかし一方が拒否した場合には、民法770条に限定列挙された5つの「法定離婚事由」のいずれかに該当するかどうかが争点となる。

では、過去の不倫は「法定離婚事由」に該当しうるのだろうか。

過去の不倫は「離婚事由」になる?

離婚・男女問題に多く対応する安達里美弁護士は、「結論から言えば可能」としながらも、その難しさについてこう説明する。
「不貞が発覚した後も婚姻生活を継続していた理由や態様、その期間などの事情を考慮して、離婚請求の時点で不貞が夫婦の婚姻関係の破綻の原因になっているか否かが重要です。
具体的に言えば、不貞発覚後、『不貞については許すから、今後は夫婦としてきちんとやり直そうね』とし、そこから夫婦関係をある程度長期間継続していた場合などは、過去の不貞を理由として離婚することは困難でしょう。
一方で、いったん許すとはしたものの半年も経たずに『やっぱり不貞のことが頭から離れない。信用できない。無理』となって別居に至ったような場合は、その不貞は“過去のもの”とはならず離婚の理由として認められる可能性が高いです」

“過去の不倫”の慰謝料請求はいつまで可能か

では、慰謝料はどうか。離婚事由と同様に、過去の不倫に対しても請求することができるのか。
不倫相手への慰謝料請求の考え方とは違うとしたうえで、安達弁護士はこう話す。
「不貞行為は『不法行為』にあたり、民法は不法行為に基づく慰謝料について『損害および加害者を知った時から3年』経過すれば時効消滅すると定めています(民法724条1号)。
しかし、『夫婦間における慰謝料請求』について、民法159条では、〈夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない〉と定められています。
そのため、3年以上前の不貞についても離婚後6か月以内であれば慰謝料請求することは可能です。このような場合、だいたいは離婚請求とワンセットで慰謝料請求することが多いです」
一方で、不倫発覚後も婚姻関係を継続していたことが、慰謝料請求において不利に働く可能性もあると安達弁護士は指摘する。

「単に籍が入っているという意味で婚姻が継続していても、別居をしていたり、お互い弁護士を付けて離婚に向けた話し合いをしているというのであれば不利に働くことはありません。
しかし、いったんはやり直そうとしたという経緯がある場合、離婚が認められない可能性があるのと同様に、具体的な事情や期間などによっては慰謝料請求が認められない、または減額となることはあり得るところです」
なお、瀬戸選手は馬淵さんに対し、不倫が発覚した2020年の時点で慰謝料を支払っているという。こうした場合には、二重請求にあたるため、改めて請求することはできない。
“水面下”での交渉を終え、離婚を発表した2人。新たな環境でそれぞれの活躍を期待したい。


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