明日2月22日は「猫の日」。愛くるしい姿で私たちに「癒やし」を与えてくれる猫は、いまや家族同然の存在といえる。

「猫の日」は1987年、猫の日実行委員会が公募により制定した。猫の鳴き声である「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」という語呂合わせにちなんで決定されたものだ。
かつては都心でも野良猫を見かける機会が多かったが、近年はめっきり減少している。その背景には、地域住民やボランティアによる不妊・去勢手術の普及がある。また、ペットブームの浸透により、室内飼育が広がったことも無関係ではない。

賃貸住宅におけるペット飼育の現状

しかし、「猫を室内で飼いたい」と思っても、日本の賃貸住宅事情は決して楽観できるものではない。
不動産情報サイトのLIFULL HOME'Sによる調査では、2025年3月時点における「ペット可」物件の掲載割合は19.3%にとどまり、全体の2割にも届いていない。
一方で、ペットの飼育割合は28.6%に上るという調査結果(クロス・マーケティング「ペットに関する調査(2024年)」)もあり、供給不足の実態がうかがえる。
さらに、同社の調査では、賃貸住宅に住むペット飼育希望者の62.8%が、「ペット飼育禁止」を理由に飼育を断念したと回答している。
加えて、ペット共生型賃貸マンション「FLUFFY(フラッフィー)」を企画開発する株式会社プロフィッツが2024年に実施した調査では、犬・猫を飼っている賃貸居住者のうち、25.4%、およそ4人に1人が「ペット不可物件」で飼育しているという実態も明らかになった。

無断で飼った場合、即退去しなきゃダメ?

「ペット不可」の物件で猫を飼うことは、当然ながら契約違反となる。では、オーナーや管理会社に発覚した場合、すぐに退去しなければならないのだろうか。
「もふもふ弁護士」の愛称で YouTubeで法律解説をしており 、ペットのトラブルに詳しい荒木謙人弁護士は、次のように説明する。
「賃貸借契約において『ペット不可特約』が定められている場合、これに違反して猫を飼育する行為は契約違反となります。

もっとも、契約違反があったからといって、直ちに契約を解除できるわけではありません。当該違反が『賃貸借契約における信頼関係を破壊したといえるかどうか』が重要な判断基準となります。
したがって、ペット不可物件での飼育は違反行為ではあるものの、それだけで即退去につながるとは限らず、個別事情を踏まえた判断がなされます」
この説明に、こっそりペットを飼っていた人はひと安心するかもしれない。しかし、共同住宅には「ペット不可だからこそ借りた」という住民もいる。個人の都合で住環境を乱すことは、決して許されるものではない。

「信頼関係の破壊」が判断の分かれ目

荒木弁護士は、さらにこう補足する。
「賃貸借契約の解除が認められるためには、単なる契約違反にとどまらず、『貸主と借主との間の信頼関係が破壊された』と評価される事情が必要です。
まずは管理会社や大家から是正指導が行われ、協議の中で『飼育中止』や『一定期間内の転居』などを条件とした解決が図られるケースが多いです。
誠実に対応すれば、すぐに退去せずに済む余地はあります」
つまり、ルール違反が正当化されるわけではないものの、その後の対応次第では、一定の配慮を受けられる可能性があるということだ。
ペット飼育に関して、特に以下のようなケースでは、「信頼関係の破壊」があったと認定される可能性がある。
  • 何度も注意を受けたにもかかわらず、無視して飼育を続けた場合
  • 多頭飼育により、強烈な臭いや修繕不能な傷を生じさせた場合
  • 鳴き声による騒音トラブルが深刻で、他の住民の生活を著しく妨げた場合
ペットへの愛情が深いからといって、貸主や近隣住民に迷惑をかける行為が許されるわけではない。ルールを守らなければ、結果的にペット自身も不幸になってしまう。

ペットと暮らす責任を忘れずに

最後に、ペットを飼う責任の重さを示す条例として紹介されるのが、那覇市の「動物の愛護及び管理に関する条例」だ。

荒木弁護士は、次のように解説する。
「この条例では、飼い主の責務として、ペットの終生飼養(生涯にわたり適切に飼育すること)について定められています。あくまでも努力義務ではありますが、今やペットは家族の一員ともいえる存在です。飼えなくなってしまったからといって、安易に捨てたり、保健所に連れて行ったりするのではなく、最後まで愛情をもって一緒に暮らしてほしいですね。」
ペットショップで「かわいい」と思って飼い始めたものの、次第に世話がおろそかになり、愛情が薄れてしまう――。こうした事態は決して珍しくない。
一自治体の条例ではあるが、ペットを飼うことの責任の重さを強く意識させる那覇市の姿勢は、すべての飼い主が何度でもかみしめるべきだろう。


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