単純に人を増やそうにも法律の壁が立ちはだかる。たとえば公立高校の学級編成の基準は、「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」によって規定されている。
県庁職員から、教員免許なしで、異動により県立高校校長を命じられた川田公長氏の著書『素人校長ばたばた日記』(三五館シンシャ)には、学校のいびつな内部事情が赤裸々につづられている。
今回はその中から、非正規教員の実情についてピックアップする。
※この記事は川田公長氏の書籍『素人校長ばたばた日記』(三五館シンシャ)より一部抜粋・構成。
正規教員の採用を控える理由
「なぜ県は正規の先生をもっと採用しないのですか?」2学期の終わり、「学校評議員会」で責めるような口調で質問された。
地域住民・保護者・有識者などが評議員として参加する「学校評議員会」は年に1、2回開かれる。校長が学校運営方針や教育活動について説明し、評議員が意見や助言を行なう「助言・意見交換の場」だ。
「正規の先生を採用しても、途中で首を切らなければならなくなるからです」
私がそう答えると、質問した評議員は驚いていた。
案外知られていないが、学校に配置される教職員の人数は法律に定めるルールにより、生徒の数に応じて決まっている。
たとえば、公立高校の学級編成の基準は、「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」(通称:高校標準法)によって規定されている。
1クラスの上限人数は40人であり、1学年の生徒数が120人なら3クラス、 121人なら4クラスとなる。各クラスに担任の教諭が1人ずつつくほか、生徒数や設置する学科の数や内容などにより、その学校の教員の定数が決められる。
少子化により子どもの数が年々減少し続けている。
今の子どもの数にもとづいて正規職員を採用すると、将来、子どもの数が減少した場合に配置できる教員数が「法律によって」減らされるため、解雇しなければならない。そうした場合に備え、全体の2割程度を非正規職員で対応しているというわけだ。
非正規職を探すのは校長の仕事
そして、これに関して校長にはたいへんな仕事がある。正規職員については教育人事課が配置してくれるのだが、非正規職員については校長がどこからか探してこないといけないのだ。わが校では、体育、音楽、美術、書道の4人が臨時教員または非常勤講師だった。
私の2年目、「書道」を担当する臨時教員から「中学校で国語の臨時教員として働くこととしたため、講師を辞めたい」という申し出があった。とても申し訳なさそうな様子だったが、私はそのほうがいいと答えた。
臨時教員はーコマいくらという契約だ。「国語」なら週にたくさんの授業があり、1つの学校だけで常勤職員として働いて生活できる。これが「書道」となるとコマ数が少ないため、 生活のために複数校を兼務して働かざるをえないのであった。
3月になって教育人事課から人事異動の内示表が来た。非正規職員で対応していた音楽・美術・書道は相変わらず正規職員の配置はなかった。
県庁の教育人事課には、就職を希望する非常勤講師の名簿があるのは知っていたので、連絡して名簿を送ってもらい、住所がわが校に近い人から順に電話をかけていった。
1人目の人は「本当ならお受けしたいのですが・・・・・・」とすまなそうな声を出した。「金曜日は他校での授業を受け持っており、お受けできません」
2人目にかけると、「ぜひぜひ」と前向きで「日程調整して折り返します」ということだったが、3日後に「調整がつきませんでした」と断りの連絡が入った。
3人目と4人目にも断られ、1週間がすぎても教員の手配がつかなかった。新年度まであと3週間。このまま見つからなかったらどうしようと不安になってくる。
5人目でようやく受諾してもらえ、ほっとしたが、他校の校長も同様の苦労をしているらしい。とくに英語については、そもそも非常勤講師の数が少なく、教員探しは相当苦労するようだ。
ある高校では、英語の教員がなかなか決まらず、最後は英語塾の講師に臨時の教員免許を発行して採用したと聞いた。
最近では教員数が少ない小学校で担任が決まらないまま新学期が始まることも珍しくなくなった。小・中・高、どこの学校も先生探しに苦労しているのだ。
「フルタイムの学級担任」でも非正規教員は低待遇の理不尽
子どもの数の減少にともない、正規で採用する教員の数を制限するのは仕方ないだろう。しかし、「フルタイムでの学級担任」など、非正規教員を正規教員と同じに働かせるのであれば、給料も同じにすべきである。
わがX県の教員の平均年収は約640万円。非正規教員だと常勤講師であっても正規教員とくらべて150万円ほどの差がある。同じ年数働いても昇給が正規教員より遅い。非常勤講師であれば、時給3000円~4000円でボーナスなどもない。
現場ができることは、任期(基本的に3年間とされていた)が終了する非正規教員が失業しないようにほかの学校にあっせんすることくらいなのだ。結果的に年度末になると、求人情報や求職情報のメールが校長間で飛び交う 。
民間企業では同一労働同一賃金の原則の導入と人手不足により、賃金は多少なりとも上昇している。このままだと、非正規教員の中には教員をあきらめ、ほかの仕事に従事する人が増えていくだろう。
タコは空腹になると自分の足を食べるという。人件費抑制のため、教員になりたい人を安価で酷使する現状は、教員を目指す若者を消費し、教育そのものの体力を削っている気がする。

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