2月26日、警察庁生活安全局人身安全・少年課は「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」を公表した。
2025年(令和7年)のいじめに起因する事件件数は400件で、2024年の377件から23件増加。
検挙・補導人員も507人となり、前年の457人から50人増加。いずれも2016年(平成28年)以来、過去10年で最多となった。

「いじめの仕返し」で殺人

では、その400件の中身はどのようなものか。
罪種別の内訳を見ると、暴行が135件で最も多く、次いで傷害が86件。さらに児童買春・児童ポルノ禁止法違反が48件、不同意わいせつが20件と続く。「からかい」「無視」といった"いじめ"のイメージとは程遠い、暴力・性的被害が現実として起きていることは、数字が示す通りだ。
さらに、事件の内訳を大きく分けると、加害者がいじめの実行者側であった「いじめによる事件」が367件、被害を受けた側が反撃に転じた「いじめの仕返しによる事件」が33件となっている。
見落とせないのは「仕返し」側の事件の中身だ。暴行16件、傷害11件が含まれるほか、殺人はいじめによる事件では0件だが、仕返しによる事件では2件発生している。
いじめを受けた少年・少女が追い詰められ、自らも犯罪に手を染めてしまうケースが一定数含まれており、しかもその内容が深刻であることは、見落とせない事実だ。

ネットいじめ、実は「微減」という意外な事実

一方、最近のいじめといえばSNSなどによるネットいじめのイメージが強く、件数も増加の一途をたどっているように思われがちだ。
しかし今回の統計では、インターネットを利用したいじめに起因する事件が71件となり、2024年の77件から6件とわずかではあるものの減少した。
もっとも、71件のうち児童買春・児童ポルノ禁止法違反が43件、名誉毀損が8件、強要が5件など、その内容は依然として深刻だ。

校内暴力は全体で急増、ただし教師への暴力はわずかに減少

いじめ事件の増加と並行して、校内暴力事件も増加傾向にある。2025年の校内暴力事件の件数は1063件で前年比140件増、検挙・補導人員は1113人(前年比116件増)に達し、こちらもいじめ事件と同様、2016年(平成28年)以来、過去最多を記録した。

一方、「教師に対する暴力事件」に目を向けると、2025年の事件数は280件で前年の283件から3件減少しており、わずかながらではあるが、全体の増加傾向とは異なる動きを示している。

刑法犯少年は2万4416人

いじめ事件以外にも、少年の非行全体は幅広い広がりを見せている。2025年の刑法犯少年(刑法の罪を犯した犯罪少年、および14歳未満で刑法に触れる行為をした触法少年)は2万4416人で、2021年以降5年連続の増加となった。
薬物事犯に目を向けると、大麻乱用で検挙された少年の数は1373人(前年比245人増)と、2016年(平成28年)以来、過去最多を更新。高校生(313人)・有職少年(624人)を中心に広がりが見られる。
一方で、かつて昭和の時代には問題視されていたシンナー等乱用は2025年に検挙人員ゼロとなった。
また、警察庁は少年非行の「主な検挙事例」として次のような事例を挙げている。
【男子高校生による常習賭博等事件】
2024年5月から2025年5月の間、男子高校生(当時18歳)が、約560回にわたり、オンラインカジノサイトにアクセスし、暗号資産を賭けて賭博をしたほか、SNS上において、必要な登録を受けないで、業として、暗号資産交換業を行い、交換の利用者がオンラインカジノにおいて賭博に使用することを知りながら、暗号資産を売却して利用者の賭博行為を幇助した。
2025年10月、少年を常習賭博罪、資金決済に関する法律違反及び常習賭博幇助罪で検挙した。また、同様の行為で少年2人を検挙し、これら3人から暗号資産を購入し、賭博行為をしたとして検挙した15人のうち、当時12歳を含む12人が少年であった。
【男子中学生によるSNS型ロマンス詐欺事件】
男子中学生(当時14~15歳)が、オンラインカジノでの賭博費用を得るため、インターネットの掲示板で20歳の女子大学生になりすまし、被害者(当時30歳代・男性)に対し、2024年2月から2025年3月までの約1年間にわたり、欺罔内容を変えながら電子マネー等約288万円をだまし取った。2025年10月、少年を詐欺罪で検挙した。



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