累計会員数100万人の「Cuddle(カドル)」、同85万人の「既婚者クラブ」、登録者数50万人の「Healmate(ヒールメイト)」などが、業界大手として市場を奪い合っているようだ。
〈既婚者という同じ立場だからこそ、お互いを理解し合える関係を築けます。〉(Cuddle)
〈既婚者同士だからこそわかりあえる、新しい関係を。〉(既婚者クラブ)
〈「真剣な既婚者同士の出会い」を目指した方に特化したサービスです。〉(Healmate)
サイトには既婚者同士が出会う“メリット”について巧みな言い回しが並ぶ一方、SNS上では「既婚者同士で会って何すんだ」「W不倫奨励サービス?」「不倫相手とマッチングするってこと?」など、登録者の“本来の目的”を訝しむ声も多い。
不倫(不貞行為)が、夫婦の貞操義務に反する「不法行為」(民法709条・710条)であることは周知の事実だが、実際のところ既婚者が“配偶者に隠れて”マッチングアプリを利用し、異性と出会うことは不倫に当たるのか。
また、こうしたサービスの運営は“不倫あっせん”として何らかの法に抵触するのだろうか。
弁護士「不貞は不貞です」
離婚や男女問題に多く対応する安達里美弁護士は、「自然に出会おうが、マッチングアプリで出会おうが、単に出会いの方法の違いだけで、肉体関係やそれに類似するような親密な関係があって、婚姻共同生活の平和を害せば不貞行為と評価されます」と話す。各社とも「セカンドパートナー」「婚外恋愛」などさまざまな言葉を用いて、“不倫ではない”男女の出会いの場であることをアピールしているが、安達弁護士は「不倫ではないセカンドパートナー、婚外恋愛って何ですか?」と苦笑。
そのうえで、マッチングアプリの利用が夫婦の結婚生活に深刻な影響を及ぼす可能性を、こう指摘する。
「配偶者がセカンドパートナーや婚外恋愛に“真に”承諾していない限りは、不貞は不貞です。
他にも『趣味の仲間を見つける!』などの目的もあるとうたっているアプリもありますが、それは相手が既婚者である必要も、異性である必要もありません。本当に趣味の仲間を見つけたければ普通のSNSでも見つけられますよね。
配偶者にしてみれば、こういうアプリに登録しているだけで『不貞したい気持ちがあるのだろう』と考えますので、実際にマッチングに至っていなくても、バレた時点で夫婦関係に悪影響を与えます。
運営会社の不法行為責任は問える?
配偶者が既婚者マッチングアプリに登録し、そこで出会った人と不貞行為に及んでいたら……。“サレた”側としては、配偶者への怒りはもちろん、既婚の男女を引き合わせたマッチングアプリにも不満を持ちそうなものだが、実際のところ運営会社に何らかの法的責任は生じないのだろうか。
安達弁護士は、「通常は運営会社の不法行為責任を問うことはできないと思う」という。
「仮に責任を問う裁判を起こした場合についても、判例がなく、裁判所がどう判断するのか予測は困難です。
確かにこのアプリ(運営会社)が不貞の実行を容易にしている面があるのは間違いないのでモヤモヤしますよね。しかし、個人的には、運営会社に責任を問うのは厳しいと思います。不貞することを目的としてアプリを利用しているのは本人(配偶者)の意思ですからね」
最後に、自身の配偶者がマッチングアプリを利用していることに気づいた場合について、安達弁護士は「こっそり探偵に依頼するなど不貞の証拠を押さえておくと良いと思います」とアドバイスする。
よほどの「遊び人」以外、ちょっとした好奇心からマッチングアプリに登録してみているだけかもしれない。しかし、“火遊び”は事の大小に限らず、人生設計を狂わせる可能性があることは肝に銘じておくべきだろう。

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