これにより、従来は従業員301人以上のみが対象であった「男女間の賃金の差異」の公表義務が従業員101人以上の企業にも拡大し、また「女性管理職比率」の公表が新たに義務付けられた。
経済分野のジェンダーギャップを縮小できるか
男女間の賃金差異は、長期的には縮小傾向にあるものの、国際的には依然として差異が大きく、厚労省はその是正を重要な課題と位置付けている。女性活躍推進法(※)はこの課題を解決するための法律であり、企業が自社の女性の採用比率や管理職の状況、男女間の賃金差異などを把握・分析し、課題解決のための行動計画を策定・公表することを定めている。
※正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」
女性活躍推進法は、2016年4月に施行されて以降、段階的に対象企業の範囲等が拡大されてきた。また、当初は2026年3月末で失効する予定であったが、2025年6月の改正で、2036年3月末まで有効期限が延長されている。
同法では2022年7月から、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を算出した指標である「男女間の賃金の差異」の公表を、従業員数301人以上の企業に対して義務付けていた。
4月からは従業員数101人以上の企業に対しても「男女間の賃金の差異」の公表が義務付けられる。
さらに、従業員数が101人以上(300人以下)および301人以上の双方の企業に対して、「女性管理職比率」の公表が義務付けられた。
なお、従来通り、従業員301人以上の企業には「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績」を7項目からの選択で1項目以上、および「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」を7項目からの選択で1項目以上、公表することが義務付けられている。
また、従業員101人以上(300人以下)の企業については「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績」と「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」を合わせた全14項目から選択して1項目以上を公表することが義務付けられている。
公表する項目のリスト(厚労省のリーフレットから)
世界経済フォーラムが公開している「世界男女格差報告書」によると、2025年の日本のジェンダーギャップ指数は148か国中118位、G7では最下位だった。また、例年、「教育」と「健康」の分野のスコアが高い一方で、「政治」と「経済」のスコアが低いのが特徴だ。
女性活躍推進法が企業に自社の男女間格差や女性管理職比率を数値として可視化させることには、女性が公正な処遇や昇進機会のもとで活躍できる職場環境を整備するインセンティブを高める効果があると期待されている。
今回施行された改正が、女性のキャリア形成と多様な人材の活用をさらに促進し、日本が抱えるジェンダーギャップ、特に経済分野における遅れを是正する一助となることを望みたい。

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