三重県の新名神高速で起きた逆走事故など外国人ドライバーによる交通事故が相次いでいます。多くの外国人が日本の運転免許をとるのに使っているのが「外免切替(がいめんきりかえ)」制度。
あわや大惨事になるところでした。今月18日、三重県の新名神高速を「逆走」して逃げた疑いで逮捕されたペルー国籍の男は、外国で取得した運転免許証を日本の免許に切り替える「外免切替」をしていました。

この制度の利用者は9年間で約2倍に増加。外国人が簡単に日本の運転免許を取得できると問題視する声も上がっているようですが、その実態を三重県津市にある運転免許センターで取材しました。
「外免切替」に必要な最初の手続きは書類審査。在留カードがなくても、宿泊先の滞在証明があれば試験を受けられます。旅行者でも受験は可能だといいます。
学科の試験は「とても簡単」だったが…

次は学科試験に相当する「知識確認」。10問の「〇×(マルバツ)問題」で7問正解すれば合格です。試験を受けた人に聞いた問題の一例は。
(問題例)
「赤信号は止まらなければならない」
「信号のないところで横断歩道に歩行者がいたら停止しなければならない」

(受験者)
フィリピン出身:「知識確認は、とても簡単。基礎的な問題しか出題されない」
アメリカ出身:「常識的な知識を問うものだけ」
フィリピン出身:「(知識確認は)簡単でした。
実技の試験は3人とも「不合格」に…
これに合格すると最後は「技能確認」。実際に車を運転し、運転技術や安全意識に問題がないかをチェックします。知識確認では「簡単だった」と言っていた3人も、技能のほうは…
(受験者)
フィリピン出身:「実技試験は、とても難しい。道路が狭かったり広かったり…細かいルールも厳しく難しかった。縁石に乗り上げてしまった」
フィリピン出身:「試験官が『ちょっとだけダメ』と。カーブを曲がる時に距離感をを間違えてしまった」
3人とも結果は不合格。後日改めて「技能試験」を受けることになりました。

三重県運転免許センターでは去年、知識と技能の両方の試験に合格した人の割合は26%。難易度への評価は様々ですが、誰でも簡単に日本の運転免許をとれるわけではないようです。
一方、警察庁は相次ぐ外国人ドライバーによる事故を受け、試験の問題数を増やすことや住所確認を厳格化することなど制度の見直しを検討しています。