脂がのった美味しそうな「サーモン」。愛知県知多市のある工場で養殖されたもので、私たちの食卓に並ぶ日も近そうです。
(平野菫記者)「トラウトサーモンがいま水上げされました。すごく大きいです」
水揚げされていたのは「トラウトサーモン」という海水で養殖した「ニジマス」。ここは愛知県知多市にある「東邦ガス」の工場です。

東邦ガスは、6年ほど前から水産業を行うニッスイと協力して養殖の実証実験を進めてきました。なぜ、ガス会社がトラウトサーモン養殖を行っているかというと…
(東邦ガス 事業開発部 木村徳博さん)「都市ガスを製造する上で、大量の冷たい海水が発生していた。ここに着目してサーモンの養殖に取り組んだ」
ガスの製造過程で生じる冷たい海水がポイントなんです。これまで冷たい海水は海に捨てていましたが、トラウトサーモンの養殖ではこれが重要な要素に!

(東邦ガス 木村さん)「大量の冷たい海水が発生するので、冷たい地域で生息する魚との相性がいい。子どもからお年寄りまで熱い人気のあるサーモンの養殖に取り組もうと考えた」
事業化して“初”サーモンの出荷…そのお味は?
去年11月には「実証実験」から一歩進み「事業」として展開。160トンの水槽を5つ増やし、現在はあわせて7つの水槽で約3万匹の稚魚を育てています。
そして5月、事業化して初めてサーモンの水揚げと出荷を行うことになりました。

冷たい海水で育ったトラウトサーモンの味は?
(平野記者)「プリっプリで脂もしっかりのっていて、臭みもないので食べやすくておいしいです」

このトラウトサーモンは「知多クールサーモン」と命名され、東海3県のスーパーなどで広く販売されることになりました。
(販売スタッフ)「知多クールサーモンはいかがでしょうか」
早速、名古屋市港区のスーパーでもトラウトサーモンの刺身や握り寿司などが販売されていました。
(試食した客)
「脂がのっているけど臭みはなくて、おいしい」
「タレに漬けて丼物にして食べるのもいいかな」

トラウトサーモンの出荷は6月中旬まで続き、約40トンの出荷を目指すということです。



