修学旅行といえば、京都・奈良、ディズニーランドが定番ですが、いま名古屋市があの手この手でその座を目指しているんです。ちょっと意外な名古屋人気の「ワケ」も見えてきます。
■5月8日:名古屋・千種区
(小学6年生)
「おはようございます!」
「いえーい!」
元気に飛び出してきたのは、京都市立待鳳小学校の6年生です。1泊2日の修学旅行先はここ「名古屋」です。
「(フクロテナガザル・ケイジの鳴き声)」
(児童)「おっさんの声がするサルや!」
まず一行が向かったのは『東山動植物園』。
(児童)「ほそっ、腕!」

飼育動物は約450種類と国内最多。子どもたちのお目当てはここにしかいないアレです。
(児童)
「コモド!入りたかったところや!」
「レッツゴー!」


去年やってきた、コモドオオトカゲのタロウです。
(児童)
「めっちゃ見える!」
「あんなでかい!」
「ワニとヘビが合体したみたい」
お土産タイムも満喫 名古屋1日目
続いて向かったのは『名古屋市科学館』。
世界最大級のプラネタリウムや、さまざまな体験を楽しんだ後は…


(先生)「楽しく買い物してください」
(児童ら)「いえーい!」
お待ちかねのお土産タイム。予算は3500円。
(児童)「(買うのは)手羽先味と赤みそ味と牛タン味」

計算をしながら手に取っていきます。
(児童)
「一目ぼれしました。コレ(ぴよりん)に!」
「(Q:3500円の予算は?)5000円くらいが良かった」
「5000円あったら余裕やな」
■名古屋クラウンホテル 名古屋・中区

(児童ら)「(Q:1日どうだった?)「楽しかった!」
一行は宿泊先のホテルに到着し、1日目が終了。京都・奈良や東京ディズニーランドが定番の中、「修学旅行で名古屋市」とは少し意外ですが、実は名古屋市はいま、その修学旅行先の定番を目指しているんです。
学校をターゲットにした「教育旅行」をPR
(名古屋観光コンベンションビューロー 飯田貴俊課長)
「コンパクトにたくさんの施設があるので、周遊を売りに名古屋を少しずつ知っていただいて、より多くの方に来ていただくところを目標にしたい」

一度に数十人から100人単位で来る修学旅行は、経済効果をもたらす大切な観光客でもあり、将来、名古屋市に来てもらうきっかけにもなります。
ここ10年ほどを見ると、増えたり減ったりを繰り返している中、名古屋市が掲げているのが…。

(飯田貴俊課長)「名古屋にふさわしい教育旅行をPRしている」
学校をターゲットにした「教育旅行」。名古屋市には徳川美術館、熱田神宮、トヨタ産業技術記念館や有松絞など…。派手さはなくても、歴史やモノづくりを学習できるスポットが充実。


どんな場所があって入場料はいくらなのか、大型バスや修学旅行を受け入れるホテルはどこにあるのかなど、民間とタイアップしてさまざまな情報を載せています。
さらに今、「ある状況」も追い風に。
アクセス良好 コストも抑えられる名古屋
(日本修学旅行協会 竹内秀一理事長)
「貸し切りバス代が上がっている。光熱費・人件費が加味されるので宿泊費も上がってくる。この2つが上がれば、修学旅行全体の費用を圧迫することになる」

燃料に高速代、さらに運転手を2人確保する必要がでるなど、バスで遠くへ行くと費用は急激に上がりますが、日本のほぼ真ん中に位置する名古屋には各都市から来やすく、コストも抑えられます。

なにより東山動植物園も科学館も、中学生までは「全員タダ」。学校にとってありがたい場所でもあります。

そしてホテル側も修学旅行の誘致に力を入れています。
朝食に、八丁味噌の煮物や味噌カツなど「名古屋めしビュッフェ」を楽しむ京都・待鳳小学校の子どもたち。

(名古屋クラウンホテル 後藤純副総支配人)
「団体客に泊まってもらうのに一番困るのは、夕食会場がないことという声を聞く。和室の小さい会場が4つほどあったが、団体の食事会場にした」
大広間で「名古屋めし」 広沢市長も視察に
最大240人が入れる大広間に。この日も修学旅行の学校2校が一度に食事をしていました。
(児童)
「きしめんがおいしかった」
「うまぁい!」

(修学旅行とは別日に)視察に来ていた広沢市長も。
(名古屋市 広沢一郎市長)
「名古屋のファンを作るという意味でも、修学旅行で大勢来てもらうのは大変重要」

■5月9日:名古屋・港区
修学旅行の最後の目的地は『レゴランド』。

(スタッフ)「黄色で止まることはできる…こっから止まれば…どうだ、オッケー、クリアー!」


レゴのロボットをプログラミングで動かす特別授業に参加。プログラミングは、2020年から小学校で必修になっていますが、授業以上に身を乗り出して取り組む子どもたち。
(スタッフ)「さぁ、最後緑。どうだ、行け!オッケー、クリアー!」
この授業もタダ。

そしてレゴランドは、修学旅行であれば1日券も半額と、ここでも大幅なコスト削減ができるのです。

魅力度ランキング上昇中の名古屋
(教諭)「安さも旅行においては重要なポイントだと思うので、すごくいいなと思いました。ジェットコースターも初めて乗った子がいて、『めっちゃ良かった』と言っていました」

では子どもたちの反応は?
(児童)
「動物園は名古屋の方が大きくて色んなものが見られたし、京都はどこ見ても山とかしかなかったけど、ビルがいっぱいあって都会を感じた」
「久しぶりに遊園地とかみんなで楽しめてうれしかった」
(児童ら)「(Q:もう一回名古屋に来たいと思った人?)はーい!」
(集合写真の撮影:児童ら)「せーの、レゴ~」

ほんの10年ほど前には主要都市で魅力のない街ワーストの評価だった名古屋市ですが、去年、全国1000市区町村を対象におこなった魅力度ランキングでは22位に。

これをさらに少しでも上に上げようと、名古屋の魅力を売り込む取り組みが続きます。







