11日午前9時、南シナ海でことしの「台風1号」が発生しました。 この台風1号は北上した後、中国大陸方面で東へ進む見込みです。
大陸へ上陸することで、台風のエネルギーになる水蒸気が供給されなくなり、勢力は弱まる見込みですが、暖かく湿った空気が日本列島に流れ込み大雨のおそれがあり、今後の情報には注意が必要です。






















ことしの台風1号は、記録的に遅い発生となりました。
<台風1号の発生遅い順(日本時間)と年間発生数>※去年までのデータ
①1998年 7月9日(午後3時) :16個
②2016年 7月3日(午前9時) :26個
③1973年 7月2日(午前3時) :21個
④1983年 6月25日(午後3時) :23個
⑤1952年 6月10日(午前3時) :27個
⑥1984年 6月9日(午後3時) :27個
台風は、夏から秋の発生が多いものの1年を通して発生します。
ただ、ことしは5月までの発生がありませんでした。

これは1951年の統計開始以来9年ぶりのことで、台風1号の発生の遅い順に並べると、過去5番目となっています。
これは、台風の発生する南海上で対流活動が活発になっていなかったためです。
これまで発生数が少なかったからといって、年間の発生数が少なくなるという統計はありません。過去には台風1号が6月や7月になっても、平年(25.1個)を上回る数が発生しています。
例年より大雨になるおそれも?
ことし6月から8月にかけての気圧配置の特徴を示した資料によると、フィリピン沖の海面水温が平年より高く、対流活動が活発化するため、積乱雲の発生が多くなる見込みです。

この積乱雲の塊が、台風にまで発達する可能性も十分にあり得ます。 また、日本付近は、南からの湿った空気が流れ込みやすくなる見込みです。台風の直接的な影響も心配ですが、梅雨前線や秋雨前線が日本付近にかかる時季には、台風から暖かく湿った空気が流れ込み、前線を刺激し、大雨になるおそれもあります。
ことしも台風の情報には注意してください。