岐阜県下呂市で半世紀以上、地元で愛されてきた「まちの文具店」が6月に、閉店することになりました。幼いころから通い慣れた中学生たちはサプライズを計画していました。

「古い町並み」が多くの人を引き寄せる岐阜県高山市。観光客は意外な場所にも足を延ばしています。地元の人たちに80年近く愛されてきた「まちの文具店」。外国人観光客には、新たな発見があるようです。

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(観光客)
「すごくいい。アメリカでこんな商品は見つけられない」
「日本の文房具が大好き。前回日本に来た時も買ったが、とても良かった」

ペンや便箋など当たり前の文房具が「日本らしい」と新たな客を呼んでいます。しかし、人口減少やネット通販の普及などで難しい経営を強いられる昔ながらの文具店も。

下呂市金山町で半世紀以上の歴史をもつ文具店「マルヒ」です。

毎朝6時半に開店 愛された“街の文具店” 半世紀以上の歴史に幕… 生徒約100人が感謝のサプライズ
CBC

(マルヒ 日下部美弥さん 61歳)
「6時半に店は開けている。学校に行く前に文房具やいる物を買って行くという子がいたので、朝早く開けていた」

店主の日下部美弥さんは毎朝、店の前を通って中学校に向かう生徒たちを見守ってきました。

毎朝6時半に開店 愛された“街の文具店” 半世紀以上の歴史に幕… 生徒約100人が感謝のサプライズ
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4校あった小学校は…1校に

1972年に義理の父親・他家男(たかお)さんが始めたこの店。以前はパンやお菓子も扱い、学校帰りに子どもたちが気軽に立ち寄れる店でした。

(日下部さん)
「当初はすごく生徒も多かったし、店もお客さんでいっぱいだった」

毎朝6時半に開店 愛された“街の文具店” 半世紀以上の歴史に幕… 生徒約100人が感謝のサプライズ
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しかし、客足は徐々に遠のき、いまでは多い日でも10人ほど。日下部さんは、6月末でその歴史に幕を下ろすことを決めました。

(日下部さん)
「生徒の数もかなり減っているし、4校あった小学校が1校になった。ちょっとやっぱり寂しいですよね」

授業で使うノートやペンなど、お気に入りを選べる品揃えのあった「マルヒ」。閉店を知って生徒も驚いています。

毎朝6時半に開店 愛された“街の文具店” 半世紀以上の歴史に幕… 生徒約100人が感謝のサプライズ
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(金山中の生徒)
「マルヒには昔からお世話になっていたので、なくなってしまうのは寂しい気持ち」

今月6日、閉店を前に感謝の気持ちを伝えようと、生徒たちは手づくりのサプライズを計画していました。

生徒約100人の「ありがとう」

(生徒)
「僕自身けっこう文房具を買わせてもらったので、買った文房具でこれからも勉強を頑張っていきます」
「妹も消しゴムやスーパーボールを買うことを楽しみにしていて、なくなっちゃうのは悲しいんですけど…お疲れ様でした」

毎朝6時半に開店 愛された“街の文具店” 半世紀以上の歴史に幕… 生徒約100人が感謝のサプライズ
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「ありがとう」の文字は、約100人の生徒たちの手書きのメッセージを貼り合わせて作りました。

(日下部さん)
「思いがけない贈り物をいただいて、胸いっぱいです。すごく嬉しい。知っている子もいっぱいいるし、1人ずつ書いてくれるなんで思いもしなくて、宝物です」

地元で半世紀以上愛され続けた文具店。閉店しても子どもたちの記憶に残り続けます。

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