6月28日から高校野球・夏の甲子園の出場をかけた愛知大会が始まります。そんな中、メジャーリーグから注目される無名の公立校のピッチャーに注目しました。
愛知県立高蔵寺高校。広いとはいえないグラウンドの中、ラグビー部が練習するすぐ近くでキャッチボールをする芹澤大地投手(17)。世界から注目を集めています。
球速はマックス150キロ。18歳以下の侍ジャパン代表候補の合宿では甲子園常連校の選手が揃うなか、公立で唯一、芹澤投手だけが選出されました。どうやって成長を遂げたかというと…
(高蔵寺高校 芹澤大地投手)
「ネットとかで見たことは意識して自分に合ったものだけ取り入れようかなと」
Q.どんなものをネットで見る?
「“球が早くなるコツ”みたいな」

YouTubeなどの動画を見て自ら研究。この春、芹澤投手を目当てにメジャーリーグのスカウトが視察に訪れました。
(芹澤選手)
「メジャーからも注目されているのは嬉しい」
将来の夢はメジャーリーガー。高校野球では無名の公立校に、突如現れた逸材を追いました。

“球が速くなるコツ”をネットで検索
夏の愛知大会ではベスト8が過去最高の高蔵寺高校。芹澤投手が進学した理由は…
(芹澤投手)
「野球のことではない。学力がちょうどよくて家からも近いので」
中学校では無名だった芹澤投手。高校では教育実習にきたOBの指導でフォームを修正。

春夏合わせて4回の甲子園出場を誇る静岡の日大三島高校との練習試合でも、ストレートの球速は140キロ超え。この春には最速150キロを計測したといいます。
芹澤投手の成長には、高蔵寺高校の環境も大事だったと監督は話します。
(高蔵寺高校 河原仁監督)
「チームの雰囲気、一緒にやる仲間。やっていて楽しいと本人が言うように」
チームメートの前では笑顔を見せる芹澤投手。

(チームメート)「秀才キャラだもんな」
Q.赤点は取ったことない?
(芹澤投手)「はい」
(チームメート)「あるあるあるある!物理!」
日本代表候補になってもチームメートからの遠慮は一切なし。この雰囲気を作っているキャプテンの大坂選手は、芹澤投手と中学校からバッテリーを組んできました。

大坂選手にはこの夏、どうしても叶えたい夢があります。
(大坂幸平主将)
「いいピッチャーがいるので甲子園出場、甲子園で勝つ」

平日の練習は午後7時まで “窓枠”で懸垂も
無名の公立校。でも、真剣です。時間節約のため練習中の移動は常に駆け足。
平日の練習は午後7時まで。限られた時間を最大限使うのがチームのモットーです。

夏の甲子園では2008年の記念大会以来、公立校が出場していない愛知県。芹澤投手擁する高蔵寺が旋風を巻き起こすでしょうか。
(芹澤選手)
「公立でも注目してもらっているので、しっかり勝ち進んで、公立でも勝てることを示せたらいい」
メジャーリーグという大きな夢を持つ公立の逸材。挑戦の夏がもうすぐ幕を開けます。

組み合わせ抽選会の結果、芹澤投手の高蔵寺高校のブロックには、春のセンバツの「21世紀枠」に推薦された強豪・名古屋たちばなが入りました。それぞれ初戦を勝てば2回戦で対戦することになります。
そして、芹澤投手は卒業後、社会人野球に進む考えということなので、早ければ3年後ドラフトの目玉となるかもしれません。
CBCテレビ「チャント!」2025年6月17日放送より