カメムシは種類が様々で、岐阜県飛騨市の吉城高校の生徒の証言では…
(3年生 内田菜月さん)「吉城高校内にカメムシが大量発生していて、授業中でも飛び回ったり、臭いを発したりして、生徒から迷惑という声が上がっていた」
(3年生 田中太智さん)「教室の天井とかに1匹張り付いてて、いつ落ちてくるかって心配になって、それが怖かった」
吉城高校に現れるのは主に「クサギカメムシ」と「マツヘリカメムシ」です。「イネカメムシ」のように稲穂を好むカメムシではありません。
秋から春にかけて毎年のように越冬のため暖かい校舎の壁に大量に張り付いたり、校舎内にも侵入…その名残はいまの季節でも確認できました。


(3年生 内田菜月さん)
「床にもいたし、窓にも張り付いてたし。外にいたのも数えると、100匹以上はいたと思う」
去年4月。カメムシ撃退に立ち上がったのは理数科の当時2年生の4人。身近な課題を科学的に解決する「理数探究」のテーマとしてカメムシの生態調査を行ったのです。

調査すること約8か月…カメムシ撃退に効果があったのは?
4人は「ハッカ」や「グレープフルーツ」などから精製した8種類の油を使って、カメムシたちがどの匂いを嫌がるかなど、約8か月かけて調べました。その結果…

(3年生 池田知應さん)「歯磨き粉は匂いの持続性に優れており、長時間にわたりカメムシの(逃げる)反応を維持できることが確認できた」
なんと、最も撃退に効果があったのは「歯磨き粉」。ミントの成分が効果を発揮すると見られました。

生徒たちが教室の窓枠に市販の歯磨き粉を塗ったところ、よってきたカメムシはそれまで平均5匹程度だったのが、1~2匹に減少!
(3年生 田中太智さん)「身近にある歯磨き粉が効果的というのは、すごく予想外で驚きでした」

(3年生 内田菜月さん)「これなら(カメムシを)減らせるかもしれないと、すごくうれしくなった」
研究は今、理数科の後輩たちに引き継がれ、カメムシの生態をさらに解き明かそうと意気込みます。
(2年生 間所幸生さん)「理数探究は吉城高校にとってかなり大事なことなので、頑張っていきたい」

なぞめくカメムシの生態。「歯みがき粉」はイネカメムシ撃退にも効果があるのか?今後の調査に期待が膨らみます。



