｢感謝祭｣という名の “生前葬”に密着 すい臓がん告知で人生が一変した53歳男性 家族へ…友へ…お世話になった人に“ありがとう”を伝えたい　愛知

多くの人が「終活」について考える時代、私たちが取材させていただいたのは愛知県安城市で行われた「生前葬」です。

（東川勝利さん）「元気ですかー！」

主役の男性は、東川勝利さん53歳。

（仕事仲間）
「東川さんらしいなと思いました」
「普通はやらないですよね」
（学生時代の友人）
「すごいですね。こんなの初めて。全然予想外」

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東川さんは脱サラして約25年。これまで様々な飲食店を経営してきました。現在は、愛知県内で3店舗のウナギ店を営んでいます。高校時代はラグビー部で活躍したスポーツマンでした。

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（東川勝利さん）「本日は皆さま、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます」

東川さんの人生が一変したのは、去年のこと。念願だったウナギ店を開業して1年半。経営が軌道に乗ってきたところでした。

突然の｢がん告知｣ 前を向けたのは…

（東川勝利さん）「去年の2月2日。病院の先生に告げられる前から、体調が悪いなというのはあった。“がん”だとは思っていなかった」

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診断結果は膵臓がん。

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（東川勝利さん）「昔から前向きで行動力があった。それが取りえで生きてきたけれども、病気になると全然駄目でしたね。誰にも知られずに最期を迎えたらいいなというぐらいに思っていた。和室から出てこなかった」

そんな東川さんの心境が変化したきっかけは、友人たちの声かけです。

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（東川勝利さん）「いろんな人と会っていく中で、人に生かされていると感じることができた。お世話になった人に『ありがとうと伝えないといけない』という思いが日々強くなってきた」

半年かけて準備 「感謝祭」という名の生前葬

そして、半年かけて葬儀会社と相談し「感謝祭」という名の生前葬を開くことに。食事もしてもらい、会費は一人6000円です。

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高校時代の恩師と同級生も来てくれました。

（高校時代の恩師）「自分はあと3～4年」
（東川勝利さん）「（自分は）あと5～6年は生きる」
（高校時代の友人）「まだまだいけそうだもんね」
（高校時代の恩師）「まだまだいける！当たり前だろ！」

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父親の「感謝祭」に参加した長男の友さんと次男の恵さんは…

（次男 東川恵さん）「普段から大きいイベントが好きなお父さんです」
（長男 東川友さん）「いろんな人と久しぶりに会いに行っていたみたいで、それをきっかけに明るくなったとは感じた」

東川さんは息子たちに伝えたいメッセージが…。

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感謝の気持ちを込めて…自分らしい｢終活｣の形

（東川勝利さん）「これから先の人生で、楽な道と険しい道がある時は、険しい道を選んでほしい。

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約2時間でお開きとなった「感謝祭」という名の生前葬。参加した人たちはどんな思いを抱いたのでしょうか？

（参加した人）
「本人よりも出席者が、東川さんに感謝を感じれたし、家族の大切さも教えてもらえた」
「これから飲みに行く」
「切れていたもの（縁）を彼がつないでくれた」

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この日は時折、涙する人たちも見られましたが、東川さんの希望通り全体的になごやかな雰囲気で終えることができました。

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（東川勝利さん）「生前葬は暗いイメージではなくて、新しい人生のスタートとして明るいイメージでやりたいなと思っていたので。来てくれた参加者の人も楽しかったと言ってくれた。『楽しかった』という言葉に今回のイベントの趣旨が集約されていると思います」

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人生の集大成を自分らしく。これもまた「終活」の一つ。東川さんの新たな目標は3年後に「復活祭」を開くことです。

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