今回の参議院選挙で与党が大敗したことで今後、私達の暮らしに関わる政策は一体どうなっていくのか。
長年、永田町を取材している“国会王子”ことジャーナリストの武田一顕さんに聞きました。
まず気になるのは、高値が続いてきたコメについて。
(若狭敬一アナウンサー)
「お米の価格や農政はどうなりますか?」
(ジャーナリスト 武田一顕さん)
「銘柄米も3000円台くらいかな。少し落ち着いてきたので、だいぶ良くなってきたんですけれども」
小泉農水大臣による備蓄米の放出などを受けて、最新の5キロ当たりの米の小売価格は3600円台にまで下落していますが…
(武田一顕さん)
「今回の参議院選挙(の結果)は、ある意味、農村の反乱でもあるわけですね。1人区で自民党が大きく負けたということを考えると、農村で反乱が起きた」
コメの販売価格はどうなる?

今回の参院選では三重選挙区をはじめ定員が1人だけの選挙区、いわゆる1人区で自民党は議席を半減させました。
(武田一顕さん)
「(1人区は)決して農村ばかりとは言えないですけれども、基本的に人口が少ない所が振り分けられているわけで。(1人区で)負けたということは、お米の値段をただ下げればいいという方向にも、自民党はかじを切れなくなってくる」
武田さんによると、小泉大臣が行った備蓄米放出による米価格の下落が自民党にとって不利に働いた側面もあるのではないかと指摘します。

(武田一顕さん)
「コメ農家にしてみれば高く売れた方がいいわけですから、無理やり強制的に(コメの値段を)下げるということに対する反発もある。そうなると自民党としても、あんまり下げる方向にも行けない」
(若狭アナウンサー)
「消費者も農家も納得する価格に落ち着く可能性は出てきた?」
(武田一顕さん)
「それはあるんじゃないですか。市場に任せれば、ある程度なりますけども、コメの収穫が豊作であれば、ある程度値段は落ち着きますけども。あんまり取れなかったりすれば、またコメが投機の対象になって値上がりするという可能性もあるので、そこのところも全く読めない」
子育て支援はどうなる?

一方、現役世代に関わる「子育て政策」について…
(若狭アナウンサー)
「子育て支援は、どうなりそうですか?」
(武田一顕さん)
「これまで、ずっと言われてきたのは、自民党と公明党は支持者に高齢者が多いから、そちらの方を向いていれば良かった。子育て世帯は、あまり投票に行かないと言われていたわけですけれども。今回は20代・30代の投票率が、かなり大きく上がったので」
有権者が今回の選挙で、どの政党に投票したのかを尋ねたJNNの出口調査によると、年代が若くなるにつれて自民党へ投票した人が少ないことがわかります。
(武田一顕さん)
「その(若い)人たちが自民党に入れなかったということを考えると、若者の反乱ということも言えますので。その中で自民党と公明党が、どこまで(野党に)配慮をするか。

野党各党は今回、児童手当の増額や給食費の無償化、子育て世代に対する給付金などの公約を打ち出しました。その中で武田さんが注目したのは、議席を伸ばした参政党の「子ども1人当たり月額10万円の給付」。
(武田一顕さん)
「月10万円の給付と言っている。参政党だけが野党の中で自民党と、ある程度政策で組んでもいいと神谷代表は言っているんですよね。その参政党が、そこ(子育て教育給付金)を強く求めてくれば、飲まざるを得ないということになる」
しかし、実現の可能性は未知数だといいます。
(武田一顕さん)
「これも財源の問題が出てきますから、お金があるのかと。普通に考えたらできますか?ということになりますので。体力が弱りに弱っている石破総理が、そんなことをできるのかという疑問に、ぶち当たるということになります」
自民党の次の総裁候補は?

そのような状況の中で続投を表明している石破総理ですが…
(武田一顕さん)
「石破総理は基本的に持たないという見方は、自民党の中の“反石破”である麻生さんたち以外にも、石破総理に近しい人からも、そういう声が漏れている」
では、気になる次の総裁候補は?

(若狭アナウンサー)
「(自民党の)新総裁やりたい人って、いるんでしょうか?」
(武田一顕さん)
「こんな“火中の栗を拾う人”はいないって言う人いますけど。政治家(衆議院議員)と、ずっと何十年も付き合っていますけど、あの人たちは大体、次(の総裁)に名前が挙がっている高市早苗さん、小泉進次郎さん、茂木敏充さん、林芳正さん。こういう人たちは、こんな混乱した状況は俺じゃなきゃ収拾つかないと思っている。そういう人たちじゃなきゃ、あんな選挙とかをやって政治家にはならない。手を挙げる人がいることは間違いない。