こちらは愛知県豊橋市の総合動植物公園「のんほいパーク」。140種以上の動物が暮らす園内は、おととい午前10時の段階で32℃と真夏日に。

(入園者)
「エサやりしに来たけど、暑くてやっていなかった」
「動物も暑そうで日陰でじっとしていました」
強い日差しに、動物たちもぐったり。園内では数年前から、様々な方法で動物の暑さ対策を進めています。


こちらはアジアゾウの水浴びです。ゾウは体を濡らして直射日光から皮膚を守り、体温調節もおこないます。水を浴びて気持ちよくなったのか、口を大きく開け無防備な表情になっていました。一方、体の小さなモルモットは、保冷剤に直接体をくっつけて暑さを凌ぎます。
(飼育員)
「(Q:暑さの影響は?)やっぱり熱中症が一番大きいと思う。夏場だったら保冷剤を置くことで冷やしてあげる。冷たくなったら自分でよけていくので、観察していても面白い」
暑さに弱い人気動物は特別な部屋で


さらに、園内で人気ナンバーワンを誇るレッサーパンダは、特別な待遇を受けているそうで…
(飼育員)
「24時間冷房が効いた部屋でレッサーパンダが暮らせるようにしている」
なんと24時間冷房完備のスイートルーム!レッサーパンダは寒さに強く暑さに弱いため、夏場は常に体を冷やす必要があります。この日も涼しい部屋でお昼寝をして幸せそうな表情をしていました。


一方、こんな暑さ対策も…氷漬けのエサを食べるのはホッキョクグマ。大好物であるホッケを凍らせたエサを与えて体を内側からクールダウンさせています。
(飼育員)
「結構うれしそうに食べます。
暑さの影響は入園者数にも


続いてオランウータンも、意外なものを凍らせたエサで体内を冷やしていました。
(のんほいパーク獣医師 吉川雅己さん)
「スポーツドリンクを動物用に薄めて氷を作っている」
中のフルーツは日替わりのお楽しみ。この日はブドウ入りの凍ったスポーツドリンクが気に入ったのか、定位置の岩の陰に隠れ、時間をかけて味わっていました。のんほいパークのこういった暑さ対策は、動物たちに効果が出ているそうで…
(のんほいパーク獣医師 吉川雅己さん)
「夏バテする動物も少なくはなっているので、こういった工夫はやっぱり必要なのかなと思う」


しかし、暑さの影響は動物だけではありません。
(のんほいパーク獣医師 吉川雅己さん)
「なかなか外で動物を見ながら散策するということが難しい環境になっている」
のんほいパークによると、去年7月の入園者数は約4万6千人。これは寒さで例年入園者が少なくなる12月の数字とほぼ同じで、昨年度のワースト2位という結果に。

(のんほいパーク獣医師 吉川雅己さん)
「園内の各所にミストを設置して涼んでいただいたり。休みながら園内を散策してもらうということもできるように考えている」
まだまだ続く夏、動物だけでなく私たち人間も熱中症には引き続き注意が必要です。