相互関税の税率は15%に。トランプ大統領が8月7日発動の大統領令に署名しました。
早朝の中部空港。大きなスーツケースを持ってあらわれた男性。スーツケースの中に入っていたのは…
(日東醸造 蜷川泰輔取締役)
「うちの看板商品の『しろたまり』。アメリカのシェフをターゲットに今回展開しようと思っている」
蜷川泰輔さんは、愛知県碧南市でしょうゆなどを製造する日東醸造の取締役。
この会社では20年ほど前から、「しろたまり」などを業務用に輸出しています。輸出先の半分以上をアメリカが占めています。


(日東醸造 蜷川取締役)
「しろたまりの特徴として、洋食やフレンチ、イタリアンと相性がいいので、現地のフレンチレストランなど日系ではない飲食店のシェフにささる商品」
その自慢の「しろたまり」を携えて、きょう、アメリカのカリフォルニア州へ出発。現地では、レストランへの販路拡大を目指して、シェフたちが集まる展示会に参加します。

しかし、気になるのはいわゆる“トランプ関税”の今後。大統領令への署名が行われ、8月7日から15%の「相互関税」が課されることが決まりました。
(日東醸造 蜷川取締役)
「(今まで)そんなに影響はないと思ってたが、今回新商品で持ってきたものは一般小売市場にターゲットを置いたものなので、販売価格は、今までよりはかなり直接的に影響してくると思う」
「値引きは正直難しい」“白だし元祖”の会社は今後も品質勝負
アメリカの展示会には、同じ碧南市にある「七福醸造」も参加します。
(七福醸造 海外営業部 本間将太マネージャー)
「弊社が“白だしの元祖”で愛知・碧南市でやっているので、(白だしを)紹介に行ってきます」


七福醸造も30年以上前から白だしを輸出し、そのほとんどがアメリカ向けです。ニューヨークのラーメン店や和食レストランなどで使われています。
(七福醸造 本間マネージャー)
「英語の商品紹介のリーフレットや白だしを使ったレシピを持ってきたので、これを使いながら説明していきたい」

白だしはこれまで2.5%ほどの関税でしたが、今回のトランプ大統領の署名で、15%に引き上げられます。関税分をそのまま価格に反映すると、一升瓶1本当たり約300円の値上がり、となる計算ですが…
(七福醸造 本間マネージャー)
「商品代金の値引きは正直難しい」
今後も品質で勝負する戦略です。
(七福醸造 本間マネージャー)
「現地の市場も感じながら会社にフィードバックをして、今後の対策を練っていきたい」

スーツケースにしろたまりを詰めていた日東醸造では、今回初めて「個人向け」に開発した商品をアメリカに持ち込みます。
(日東醸造 蜷川取締役)
「(関税が値段に)上乗せされた上でも競争力や付加価値がある商品を持ってきた」
“トランプ関税”を乗り越える商品開発に力を入れたいと意気込んでいます。