今月1日に名古屋市中川区で発生した自動車盗難未遂。その犯人と同一と思われるグループが、別の店舗で犯行に及んでいました。

今月1日の午前3時すぎ、名古屋市中川区にある自動車販売店の防犯カメラが捉えていたのは、店の前に止まった1台の黒い車。すると、帽子とマスクで顔を隠した2人組が他の車には目もくれず白い車に近づきます。
狙われたのは、トヨタの高級車ランドクルーザー。1人が助手席のドアに工具のようなものを押し当て、もう1人は車の周りをうろうろ。防犯カメラを気にしながら作業を続けること約8分。通行人に気付かれたのか慌てて逃げていきました。2人は一体何をしていたのか…


(G-STYLE ゴンサルべス・アンドレ社長)
「ハサミのようなもので切られて、配線もちぎられていて」
助手席のドアには四角い穴があけられ、配線がむき出しになり1本が切断されています。
(G-STYLE ゴンサルべス・アンドレ社長)
「最新のやり方らしくて、CAN(キャン)インベーダーという方法」
CANインベーダーは車を制御するシステムに侵入し、ロックの解除やエンジンの始動をはかる装置。近年、自動車の盗難事件で多く使われています。

これまでの車種は、CANインベーダーを接続する配線が細工しやすい位置にありましたが、最新車種では配線を隠すなど対策が進んでいます。犯人たちは車体に穴をあけて配線に接続しようとしたとみられます。幸い車は盗まれませんでしたが、被害額は100万円ほどに上るといいます。
(G-STYLE ゴンサルべス・アンドレ社長)
「車が盗まれなかったのは安心したが、被害が大きいので悔しかった」
別の店でも“同じ服装”の人物が…
この窃盗未遂事件の1週間前、愛知県内の他の自動車販売店の防犯カメラが同一犯と見られる人物を捉えていました。


時刻は午前3時半前、現われたのはやはり黒い車。
車から出てきたのはベージュの帽子に白いパーカーの人物と、上下青の人物。今月1日、中川区の販売店に現れた人物と同じ服装です。よく見ると靴下と靴も同じもののように見えます。


ここでも狙いはトヨタのランドクルーザー。店舗の入り口は車で塞がれていますが…
ワイヤーカッターのようなもので車の後ろにあるフェンスを切断。最後は無理やり折り曲げて車の通り道を作ります。その後、車体に穴をあけCAN(キャン)インベーダーのようなものを接続し、ロックを解除。エンジンをかけると走り去っていきました。フェンスの土台の近くには段差を乗り上げるため、ブロックを積んでいるのがわかります。この自動車販売店の店主は。
「まさか、こんな方法で盗まれるとは想像がつかなかった。

同じ服装の人物は愛知・稲沢市でも…

実は中川区で被害に遭った自動車販売店でも車の前には、50センチほどの段差がありましたが、当時の写真には段差を埋めるように積み上げられたブロックが映っていました。ワイヤーカッターやブロックなど入念に準備していることが分かります。
さらに、これらの人物と同一とみられるグループは稲沢市内でも。


先月13日の午後9時半過ぎ、踏切で止まった黒い車から降りてきた自動車を盗んだ人物と同じ服装の人物。バールようなものを手に運転手を威嚇します。ドライブレコーダーの車があわてて後退すると車に戻り、走り去りました。
愛知県内で3度も姿が確認された、これらの人物。警察は自動車盗に関わる同じグループとみて捜査しています。