夏の甲子園は、県立岐阜商業が16年ぶりのベスト8進出。今回は、左手の指がないハンディを乗り越え、レギュラーをつかんだ横山温大選手に注目しました。
きのう、16年ぶりのベスト8進出をかけ、大分の明豊と対戦した県立岐阜商業。背番号9の横山温大選手は、生まれつき左手の指がないハンディを乗り越え、レギュラーをつかみとりました。スタンドには応援に駆けつけた両親の姿が。
(母・尚美さん)「ここまできたので優勝目指して頑張ってほしい」
(父・直樹さん)「元気でやってもらえれば勝ちに繋がると思う」
3人きょうだいの末っ子として生まれた横山選手。野球をしていた兄と姉に憧れ、小学校3年で地元のスポーツ少年団に入り、当初は義手をつけてプレーしていました。
(母・尚美さん)
「最初の頃は、左手にグローブつけてやっていた。みんなと同じように両手使えるように周りの人たちに助言してもらっていた」
中学時代、横山選手が所属していた愛知江南ボーイズの代表は、当時の様子をこう振り返ります。
(江南ボーイズ 住藤重光代表)
「江南ボーイズ時代も、もくもくと練習して、お父さんにも協力してもらって、家に帰ってからもかなり練習していた。指がないのでバットをしっかり握れない。バッティングでも高校になると球も速くなるし重たくなる。県岐商という強豪校に入って、ハンディ抱えてレギュラーになるのは難しいんじゃないかと思っていた。それに打ち勝ってスタメン取って彼はすごい頑張っているんだなと思った」

グローブ持ち替え見事な送球
甲子園を目指し、地元の強豪・県岐商へ進学。
(母・尚美さん)
「信じられないというか。緊張する中頑張っているので、すごいなと思う。注目してもらっているし色々な人に応援してもらえるので、感謝して皆さんに活躍が見せられるよう頑張ってと(伝えた)」

その、注目の甲子園。県岐商は1回、ヒットとデッドボールなどでいきなり満塁のチャンス。5番・宮川選手のタイムリーで2点を先制します。続くチャンスを活かしたい県岐商、注目の場面で打席に立ったのは、横山選手!
右手を振り抜き、ライトへ抜けるタイムリー。貴重な追加点を奪います。
さらに守備でも…右手につけたグローブで捕球した後、すぐに持ち替え右手でボールを送球。セーフにはなったものの、横山選手は守備でも素晴らしいプレーを見せました!
そして、チームは6回途中から登板した2年生エース・柴田投手がリードを守り切り、16年ぶりのベスト8進出を決めました。
(母・尚美さん)「うれしいです」
(父・直樹さん)「(次も)楽しく頑張ってやってもらえれば」
(横山温大選手)「今まで迷惑をかけたり、両親にはサポートしてもらってきたので、恩返しできたかなと思う。次も活躍する姿を見せられたらいいな」

県岐商、次はベスト4をかけて、横浜と対戦です!