コンビニチェーン「ミニストップ」の消費期限偽装、なぜ今回起きてしまったのか。
(大石邦彦アンカーマン)
まず、コンビニの店舗数をみてみると、セブン-イレブンがトップで2万1000店を超えています。
ミニストップは4番手に位置しているんですが、店舗数は1800店を超えるくらいなので、大きく水をあけられています。
この状況の中で、一体なぜ店舗での偽装が行われてしまったのか?
“消費期限偽装”の方法は?
本来は、おにぎりを握った後すぐにラッピングして、消費期限が入ったラベルを貼るそうです。

私が取材したところ、4つ握ってすぐラッピングしてラベルを貼る。大体タイムラグ5分ぐらい。ところが今回は、握った後2~3時間ぐらい厨房に置いたままで、その後ラッピングしてラベルを貼っていたと。これが1つ目の偽装。
もう1つは、本来の期限が入っているラベルのおにぎりを商品棚に並べた後、別の新しい消費期限が入った“偽装”ラベルを、本来の期限のラベルの上に貼っていたと。どのぐらいタイムラグがあったのか取材したが、これは現在調査中とのことです。

“偽装”があった23店舗
では、なぜこれを行ったのか。ここまでの調査では、もったいない、廃棄を減らしたい。
つまり、30個なら30個、50個なら50個握って、その後に50個全部袋詰めして、その後にラベルを貼った方が楽だと。
今回この偽装は全国約1800店舗ある中で、東京2店舗、埼玉2店舗、愛知2店舗、関西16店舗、福岡1店舗と結構バラバラなんです。

広報「本部からの指示はありません」と明言
コンビニの経営は、本部による直営店かフランチャイズ契約によるオーナーの意向が反映しやすい加盟店にわかれます。
各店舗が廃棄を負担する加盟店になると、自分で作る量を決めることができる。廃棄するのも自分負担になるが、作る量も決められる。一方、本部による直営店の場合は本部が作る量を決める。廃棄負担も本部だから本部に裁量権がある。取材した方によると、「本部から廃棄量を減らすように圧力があったのでは…?」ということですが…

本当にそんなことがあるのか。ミニストップの広報に聞くと、「本部からの指示はありません」と明言しました。
店内加工をしていたのは、「オーナーもいる、アルバイトもいる」と。つまり、オーナーだったら経営効率考えるかもしれない。アルバイトであれば作業効率を考えるかもしれない。

消費期限=「安全に食べることができる期限」
しかし、“消費期限”と“賞味期限”でいうと、今回は消費期限になります。改めておさらいすると、賞味期限というのは「美味しく食べることができる期限」。期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないと。スナック菓子とかカップ麺など、傷みにくい食品に一般的には表示されています。

今回の消費期限というのは、期限を過ぎてから食べない方がいい。つまり「安全に食べることができる期限」を記しています。なので、お弁当やサンドイッチなど傷みやすい食品に表示されているので、今回の問題が大きいと言えるでしょう。
ミニストップは、こういったお惣菜・手作りおにぎりが売りの1つ。生命線だったはずなのに、そこで偽装があったのは消費者への最大の裏切りになります。まずは全てを明らかにしてほしいと思います。