ことし1月、岐阜県の雪山で見つかったのは、行方不明の女性の遺体でした。警察は、別の死体遺棄事件などで起訴された男女が、この女性の死亡に関与した可能性があるとみて調べています。
(柳瀬晴貴記者)
「岐阜県揖斐川町です。人目につかないこちらの山の中で、白骨化した遺体の一部が見つかりました」
捜査関係者などによりますと、ことし1月、岐阜県揖斐川町の雪山で、白骨化した遺体が見つかりました。その後の警察の捜査で、遺体は去年12月から行方不明になっていた岐阜県可児市の30代女性と確認されました。
(第一発見者の猟友会の男性)
「『おじさんあかん!人の頭があるであかんて!』『ウソやろそんなこと!』(と叫んだ)」
発見したのは鹿の駆除を行っていた猟友会で、先週CBCの取材に応じ、当時の様子を語りました。

(猟友会の男性)
「たまたま手負いになった鹿が滑り落ちていって、雪をどかし、そこに(頭蓋骨が)あった」
猟師の男性たちは山中でシカを見つけて発砲。撃たれたシカは雪が積もった斜面を滑り落ちました。すると雪の下から頭蓋骨が現れたといいます。

「シカがいなければおそらく今でもわからなかった」
(第一発見者の猟友会の男性)
「シカがいなければおそらく今でもわからなかった」
Q未解決のままだったかもしれない?
「100%見つからん。35歳くらいから(40年以上)猟をやっているが、こんなところ、来たことがない」

その後の捜索で周辺から髪の毛や足の骨なども見つかり、行方不明の女性と特定されたということです。
(第一発見者の猟友会の男性)
「かわいそうやった。冷たかったやろうな。寒かったやろうなと思う」

捜査関係者によりますと、防犯カメラの映像などから1月に白骨化した遺体で見つかった、この女性の死亡に関与した疑いがあるとして、女性の知人で岐阜市の無職・立花浩二被告55歳と内縁の妻・神原美希被告35歳の2人を捜査しているということです。
立花被告らは別の女性を殺害した嘱託殺人などの罪で、すでに起訴されています。


立花被告「自分は何でも屋」
立花被告とは一体どんな人物だったのか。周囲には自らをこう名乗っていたといいます…「自分は何でも屋だ」。
一方揖斐川町の雪山で遺体で見つかった女性は、岐阜県内の飲食店で働いていましたが、当時の同僚はこう話します。
(当時の同僚)
「明るい感じ。飲みも好きだった。当たり障りなく上手に人と接する子」
(当時の同僚)
Qトラブルに巻き込まれるような人?
「そういうイメージはない。嫌われたり疎外されるわけでもなく、普通に仕事に来ていた。金銭面のことで相談を受けたこともない」
2人の女性の死亡に関与した疑いがある内縁の夫婦。警察が経緯を詳しく調べています。


これまでの経緯を改めて
わずか半年余りの間に、岐阜県西部の山で遺体で見つかった女性2人の「死」に、岐阜の男女が関係している可能性が出てきました。

30代女性の遺体はことし1月揖斐川町の山中で
(大石邦彦論説委員)
経緯をたどると不可解な点がいくつか浮かび上がってきます。2つの視点で見てみましょう。

まずこちら。去年12月になります。岐阜県可児市の30代の女性が行方不明になりました。

この白骨化した遺体は、行方不明の可児市の30代の女性ということが特定されています。
53歳女性の遺体はことし8月本巣市の山中で
そして2つ目は、ことし8月、岐阜県本巣市の山中で別の遺体が見つかりました。
遺体は愛知県常滑市の当時53歳の女性で、この女性の遺体を遺棄したとして女性の知人で岐阜市の立花浩二被告(55)と内縁の妻の神原美希被告(35)の2人が逮捕されました。
その後2人は殺人の疑いで再逮捕され、きのう、立花被告は被害者から依頼を受けた嘱託殺人などの罪で、神原被告は死体遺棄の罪で起訴されました。

可児市の30代の女性は、なぜ揖斐川町の山の中で遺体で見つかったのか。これについては、詳しいことはまだわかっていませんが、警察は、本巣市の事件で逮捕・起訴された立花被告、その内縁の妻の神原被告がこの女性の死亡に関わった可能性があるとみて現在調べを進めています。
