33年前、名古屋の高校生がアメリカで射殺された“服部くん事件”。
両親はその後、アメリカの高校生の来日留学支援を続けています。
12月15日、ひとりの留学生が名古屋市内のある家を訪ねました。アメリカ・テキサス州の高校生、ジョヴィアン・アーレドーンドさん17歳。迎えたのは、服部政一さん・美恵子さん夫妻。33年前、アメリカに留学していた息子を銃で失いました。
アメリカ留学中に射殺 銃規制を巡り大きな波紋も
1992年10月17日、ルイジアナ州バトンルージュで留学中だった、名古屋の高校2年生・服部剛丈(よしひろ)さんが射殺されました。ハロウィーンパーティーに向かう途中、家を間違え家主に銃で撃たれたのです。
(現場の隣の人 当時インタビュー)
「フリーズとプリーズを間違えたんじゃないかな」
刑事裁判では、正当防衛が認められ家主は無罪に。しかし民事裁判では「発砲は正当化できない」として、家主に損害賠償の支払いが命じられる正反対の結果に。
アメリカでも銃規制を巡り、大きな波紋を広げました。
留学生支援“YOSHI基金”を創設
服部さん夫妻は1994年から、留学生を支援する「YOSHI基金」を創設。「銃のない社会の良さを体験してほしい」と、毎年1人のアメリカ人留学生を受け入れてきました。
ジョヴィアンさんは34人目。普段は群馬県に滞在していますが、YOSHI基金の留学生は毎年この時期、服部さんの自宅を訪れる事になっています。
(美恵子さん)「日本に来て驚いたことはある?」
(ジョヴィアンさん)「日本の安全さ」
(美恵子さん)「どういう時に安全だと思う?」
(ジョヴィアンさん)「毎日、夜に自転車で下校できる。テキサスでは、たとえ車に乗っていても身の危険を感じます」
「資金が残り2人分しかない…」継続の危機に直面
しかし、30年以上続くこのYOSHI基金も大きな壁に直面しています。
(政一さん)
「資金があと2人分しかなかったんですよ。もう少し続けたいなと思って、募金をすることになった」
基金が底をつきかけた中、今年10月には…
(美恵子さん)
「新聞紙で作ったバッグが庭にあって。開いて、それからビックリして」
(政一さん)
「100万ずつ束になったのが、5つずつ包まれていた。束は10個で1000万。『足長爺より』と書いて『YOSHI基金に使ってください』と」
警察に届けましたが、持ち主が現れなかった場合は申し出通り、全額基金に充てるつもりです。
「日本に来て、考え方は180度変わった」
(美恵子さん)
「若い人たちの考えはだいぶ変わってきているので、私は絶望する必要もないし、よい方向に向かっていくと思います。短い時間では変わらないと思う。アメリカの中で色んな種をまけるのではないか」
来日して8か月のジョヴィアンさんは…
(ジョヴィアンさん)
Q.銃が身近な環境から日本に来て変化は?
「テキサスではみんなが銃を当たり前のように持っています。剛丈さんの事件や銃規制の勉強をして、考え方は180度変わりました。憲法で“自衛のための銃”は認められていますが、実際に自衛のために銃を使うことはありません」
夫婦の活動が実り、銃の販売規制が成立
服部さん夫妻は事件後の1993年、クリントン大統領に銃規制を求める約200万人の署名を提出し、銃の販売を規制する「ブレイディ法(1994年~2004年)」が成立。
息子を失った両親の思いが、銃規制を後押ししたのです。
「アメリカで銃規制の運動に貢献したい」
夕食の後、日本語で話す練習を始めたジョヴィアンさん。
(ジョヴィアンさん)
「今では深く心を動かされ、銃規制の重要性を理解していると胸を張って言えます。この知識をアメリカに持ち帰り、銃規制という力強い運動に貢献する」
剛丈さんが通っていた旭丘高校では、YOSHI基金で来日した留学生との交流会を開き、そこでプレゼンを披露することになっています。
(美恵子さん)
「(最初は)日本語が分からないところもあったんですけど、今日はほとんど大丈夫でしたので、他の人にも分かってもらえる」
剛丈さんが通っていた旭丘高校で交流会
翌日16日、名古屋市東区の旭丘高校。
(ジョヴィアンさん)
「(2019年)僕が住んでいるオデッサで、銃乱射事件が発生しました。この事件では7人が死亡し、17人以上が負傷しました。」※スピーチ一部抜粋
無事スピーチを終え、意見交換も行いました。
(ジョヴィアンさん)
「アメリカでは人々がストレス解消のために射撃場に通います」
(生徒)
「少しずつ武器の殺傷能力を法律で下げていけば、完全になくしていける」
(美恵子さん)
「息子の命が無駄にならないように、何かしてあげないといけない。何か息子に仕事をしてもらおうと思いました」
銃のない社会という理想。
銃の乱射事件が増加傾向も…活動を継続し“銃のない社会”に
アメリカでは服部君事件の後、逆に銃の乱射事件が増える傾向にあります。それも、誤って発砲するのではなく、学校や市街地で無差別殺傷する乱射事件が続発しており、理想には程遠い現状です。
初めて「銃のない日常」を経験した、アメリカ人留学生のジョヴィアンさんも…
(ジョヴィアンさん)
「ひとつの変化が多くの怒りを引き起こすのが、アメリカの文化です。帰国したら母国でプレゼンがしたいです。テキサスのためになると信じています」
息子の死から33年。増え続けている銃による暴力。
(美恵子さん)
「まだまだアメリカに訴えるのは、これからだと思う。なんらかの形で継続してもらいたいと願っています」

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