山で遭難した際の救助費用は“自己負担”すべき?
去年、富士山の閉山期間中の遭難者は9人。一昨年に続き、去年も冬季閉鎖中の山岳遭難が相次いだことを受け、富士宮市の須藤市長は、事故を未然に防ぐ仕組み作りの必要性を語りました。
(富士宮市 須藤秀忠市長 1月9日)
「こうした事故を未然に防ぐためにも、罰則制度といいますか、そういうものを徹底してくれるように、県の方にも要請したい」
冬の富士山 閉山期間や罰則は?
今回は、“自己責任論”をどう思うかについてです。
まず、冬の富士山は厳しい気候条件のため、閉山期間を設定しています。静岡県は9月11日~翌年7月9日まで、山梨県は9月11日~翌年6月30日まで富士山には入れません。6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もあります。
しかし近年、インバウンドの軽装登山やSNS・動画配信目的の登山などで、閉山期間の遭難者が増加しています。救助には税金が使われており、基本的に登山者の費用は無料となっています。
救助費用は自己負担にすべき?弁護士に聞く
救助費用は“自己負担”にした方がいいのでは?という人もいると思います。
こちらについて、上田佳孝弁護士に聞いたところ「警察法・消防法・自衛隊法などにより、行政は国民の生命を税金で救助する義務がある」とのこと。
それでも、お金を取らないと厳しいという自治体があるとするならば「行政が国民に負担を強いるには法律が必要」とのことです。
埼玉県で有料化の条例制定 5分8000円
実は、“救助有料化”のルールを作った都道府県があります。
2018年に埼玉県で条例が制定され、防災ヘリコプターの救助活動に手数料が必要になりました。5分8000円で、ホームページによると大体1時間ほど稼働するので、9万6000円が請求されます。
ただし、伐採・有害鳥獣の捕獲・人命救助・山小屋の運営・登山道整備・自然環境保護活動・学校の教育活動など、仕事で行った場合は手数料は除外されます。
「救助をためらう」という事態を招く懸念も…
除外例もあり、有料化が抑止力にも繋がるので、もっと広がっても良いのではと思いますが、有料化への課題もあります。
上田弁護士に伺うと「お金がないから救助をためらう事態を招く懸念」「税金の使い道として人命救助以上に優先されるものはないという考え」「無謀な登山と不慮の事故の線引きが困難」ということで、上田弁護士曰く「埼玉県のように対象者をしぼり、請求額は実費と同等にするべき」。
議論が深まることでルールが変わったり作られたりするので、議論が活発化することが大事だと上田弁護士も話していました。

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