建設コスト高騰で白紙となった名鉄名古屋駅の大規模再開発。計画は一旦止まりましたが、駅前の顔だった名鉄百貨店は予定通り2月いっぱいで閉店します。



この閉店で、実は見納めになる世界的に珍しいものがあるんです。

(小川美桜アナウンサー)
「これですか?レトロな雰囲気が漂うエスカレーターですね。おぉ、動いた。結構なスピードで動き出しますね」

名鉄百貨店の8階と9階をつなぐエスカレーター。世界にここだけ!2基しかない希少なものなんです。このエスカレーターを50年以上管理してきたという施設担当の林さんは…

(名鉄百貨店施設部 林正治さん)
「この(手すりの)形が他にはないそうでして…」

(小川)
「確かに、手すりが垂直にまっすぐ(床に)来ていますね。普通のエスカレーターって丸く…」

(名鉄百貨店施設部 林正治さん)
「(通常は)丸いR型のものになっていますが、これはC型と言うらしいんですけれども」

1967年、名鉄百貨店のグランドオープンに併せて採用された、東芝の「C型エスカレーター」。一般的なエスカレーターは手すりが下で巻き込まれるように入っていきますが、C型は見た目の美しさにこだわった結果、手すりが垂直に床下へ入っていく形になりました。

その珍しさから、全国からわざわざこのエスカレーターを見にくるマニアもいるほどです。また採用の背景にはこんな裏事情も…。

(名鉄百貨店施設部 林正治さん)
「あちら(別の種類)と比べるとお値打ちだったと聞いている」
(小川)
「へぇー!」

当時主流だった海外製より安かったのが採用の理由でしたが、とにかく維持管理が大変だったといいます。

(名鉄百貨店施設部 林正治さん)
「しっかりメーカーがメンテナンスしていることで維持できている」
Q今パーツが壊れてしまうと特注になる?
「もう残っている部品がないので、現存する部品を加工するなどして、修繕には時間がかかってしまう」

百貨店の閉店後、エスカレーターをどうするのかについては、まだ未定ということですが…

(名鉄百貨店施設部 林正治さん)
Q.愛着はある?
「そうですね。

これもそうだが…名前がエスカレーターではなく『エスカレーア』という表示があるもので…」

降り口には「エスカレーア」という名前が。アメリカのオーチス社が一時期だけ作っていたエスカレーターの商品名で、こちらも現在はここにしか残っていないもの。これらの希少なエスカレーターが見られるのもあとわずかです。

(60代夫婦)
Q.来店の目的は?
「若いときに慣れ親しんだ名鉄百貨店が閉店するということで」
Q.このエスカレーターが珍しいものだと知っていた?
「気づかなかった。びっくりです」
Q.珍しいから残してほしい?
「そうですね。レトロ感もあるし」

どこにでもあるエスカレーターも“歴史遺産”ともいえる存在の名鉄百貨店。今しばらく名残を惜しむ人々で賑わいそうです。

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