陸上自衛隊で長期にわたり続いていた“パワハラ”。退職に追い込まれた32歳の男性が、慰謝料など求め国を提訴しています。
(元・自衛隊員)
「助けを呼べる力もなかった。逃げ出したいという気持ちしかなかった」
こう話すのは、3年前まで名古屋市の陸上自衛隊守山駐屯地に所属していた、32歳の男性。2018年に入隊、希望した部隊に配属され、仕事に励んでいました。
しかし、入隊から1年半が経った頃。上司からパワハラを受けるようになったといいます。
「反省文を20枚書いて来い、寝なければいけるだろ」
(元・自衛隊員)
「“相手が不快だと思うことはしません” “メモをするときは指示に続いて、間違ったことはしません” とか。20~30枚は少なくとも書いていた」
当時書かされた反省文。
休みの日に出勤させられ、上司からかけられた言葉は…
「20枚書いて来い、寝なければいけるだろ」
さらに、反省文の内容を大声で読み上げるよう命じられ、声が小さいなどと罵倒されたといいます。
外を見ている男性に…「飛ぶんだったら言ってから飛んでよ」
精神的に追い詰められていったという男性に、さらに別の上司が…
(元・自衛隊員)
「部屋にいても、次は誰にやられるかわからなかったので、部屋から出て、外を見ていたら、笑いながら『飛ぶんだったら僕に言ってから飛んでよ』と言われた。その一言が正直きつかった。死んだ方が楽じゃないかと思っていた状態だったので」
自殺をすすめるかのような言葉も受けた男性。
駐屯地に足を踏み入れるだけで、震えや頭痛などの症状が出るようになって適応障害と診断され、その後、うつ病やパニック障害など複数の病気を発症。3年前の11月に退職しました。
守山駐屯地「ハラスメント対策は研修など、以前から取り組んでいる」
(元・自衛隊員)
「まだ日常生活に支障をきたしている。結局、元を絶たないとだめと医者にも言われているので、今の問題を終わらせて区切りをつけて、次のステップに行きたい」
陸上自衛隊守山駐屯地は2023年、部下に不適切な指導をしたなどとして、上司2人を停職6か月、不適切な発言をしたとして上司1人を減給30分の1(1か月)の懲戒処分にしました。
CBCテレビの取材に対し守山駐屯地は「ハラスメント対策については研修を行うなど、以前から取り組んでいる」とコメントしました。
「5年間を返して欲しい、本当に…」
一方、上司の処分が出たのは、パワハラ事案の発覚から3年余り経った後。男性は自衛隊の対応が遅く不誠実だとして、被害から5年余りがたった去年、国に慰謝料など6400万円あまりを求める訴えを起こしました。
(元・自衛隊員)
「5年間を返して欲しい、本当に…。それがだめなら、ちゃんと賠償に応じて欲しいな」
規律が求められる自衛隊で起きていた“パワハラ”。国は訴えの棄却を求めていますが、法廷はどう判断するのか、現在審理が続いています。

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