コロナ禍で社会問題となったオーバードーズ。薬の入手ルートのひとつになっているSNSでは、隠語を使った密売が横行しています。
私たちは実態を探るため、SNSグループに1か月間“潜入”。取材を進めると、背後に「匿名・流動型犯罪グループ」が関与していることが明らかになりました。
密売人が語った悪質な手口とは…
「抗うつ薬を40錠、一気飲みで救急搬送」 オーバードーズの搬送者数は年間1万人超
東京・歌舞伎町の“トー横”や、大阪・ミナミの“グリ下”のように、名古屋・中区の池田公園には、居場所を求める若者が集まります。
そんな若者の一部で広まっているのが、薬の過剰摂取=オーバードーズ。
肌寒さの残る2月末、池田公園にいた若者に聞きました。
(29歳女性)
「人間関係がしんどくなっちゃって『あわよくば死にたい』ぐらいの感じの時にオーバードーズしました」
彼女は、マッチングアプリで知り合った男性とトラブルになり、精神的に追い詰められた結果、ドラッグストアで入手した咳止め薬を過剰摂取したといいます。
(29歳女性)
「記憶が途切れ途切れになりながらトイレで吐いていました。気づいたら救急搬送されていて、みたいな感じですね」
彼女のように、オーバードーズが疑われる救急搬送者は、年間1万人を超えています。中には、市販の薬ではなく、医師の処方箋が必要な医薬品を過剰摂取する人も…
(21歳女性)
「躁うつなので、その処方薬を40錠?50、60錠ぐらい飲んだかな。何回かしていて、3回病院に運ばれています」
オーバードーズの患者を年間50人ほど診ている救命救急医は、繰り返していると、臓器が悲鳴を上げ、最悪の場合、命が失われることもあると話します。
(救急科専門医 宮田和明医師)
「腎臓や肝臓の機能は人それぞれ異なるため、同じ量の薬を飲んでも、AくんBくんは大丈夫だったとしても、Cさん1人だけが朝起きたら冷たくなっていたというケースも実際にありました」
“#お薬もぐもぐ” 隠語で売買される処方薬…SNSグループに潜入取材「罪悪感アリアリ」
オーバードーズをする若者たちは、医師の処方が必要な薬を一体どこで大量に手に入れているのか…
SNSで「お薬もぐもぐ」と検索すると、大量の薬の写真とともに、動物の絵文字や数字が数え切れないほど投稿されています。
医薬品の不正流通に詳しい金沢大学の吉田直子准教授によると、これらは医薬品の名前や容量だといいます。
(金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 吉田直子准教授)
「医薬品の名前、成分や商品名をダイレクトにテキスト入力すると、(運営元によって)投稿削除になってしまうところを逃れるために、絵文字などでストレートに表さないようにしているとみられます」
薬の不正譲渡は、薬機法や麻薬取締法などで禁止されています。
吉田准教授の調査では、薬の売買が疑われるSNS上の投稿は、2022年1月~2023年3月の1年余りで、3334件に及んだといいます。
実際に売買はいかにして行われているのか…。実態に迫るため、私たちはオーバードーズをする若者たちが集うSNSグループに参加。約1か月の間、20人以上とやり取りを重ねました。
そして、そのうちの1人が通話に応じました。
(記者)「これまで何人ぐらいに薬を売った?」
(密売人)
「いまのところ24~5人、そのうち7人ぐらいが常連さん」
(記者)「違法ですよね?」
(密売人)「100パー違法だと思います」
(記者)「罪悪感はあるんですか?」
(密売人)「全然アリアリですね」
「裏には間違いなく“トクリュウ”がいる」…対面取材に応じた密売人が記者に語った実態とは
臆面もなく違法性を認める男。一体何を考え、犯罪を繰り返しているのか…
その後もメッセージのやり取りを重ね、私たちは男から直接話を聞くことができました。
(記者)「何を扱っている?」
(密売人)「睡眠導入剤、○○と○○です(※いずれも処方箋が必要な医薬品)」
(記者)「違法と認識しながらやっている?」
(密売人)「はい」
密売を始めたきっかけは…
(密売人)
「(友人が)オーバードーズに悩んでいて、仕事もままならない、どこも処方してくれない、高くてもいいからどこかないかと、たまたまぼくが間に立って買ったのが一番最初」
その後、SNSで仕入れたものをSNSで転売するようになったといいます。
対面での取材に堂々と受け答えをする男ですが、“取引”をする際は常に罪悪感に苛まれていると話します。
(密売人)
「薬を販売する投稿をした時点で、矛盾してる答えにはなるんですけど、引け目を感じている。販売した後はもう罪悪感っていうか。それ以外ないですね」
(記者)「では何故販売する?」
(密売人)
「なので、もうこれ以上はもうやめた方がいいと。これからちょっと一歩先行っちゃったら、自分も何も気にしないで販売するような人間になっちゃうのかなと思ったので、(記者から連絡が来て)いい機会だと思って」
(記者)
「実際に若者が何人も救急搬送されていて、そういう現状に加担しているともいえるのでは?」
(密売人)
「言えます。断言できます。
生活費を稼ぐため、これまで数万円を売り上げ、すでに密売からは足を洗ったと話す男。「自分は氷山の一角」だといいます。
(記者)「組織でやっている人がいる?」
(密売人)
「いますね、十中八九いないとおかしいですね。聞くところによれば、直接やり取りを対応する人、薬を在庫として置いている人、発送する人、口座を確認する人、だから一番上の人は何をしているのか分からないですよね。“トクリュウ”ですよね」
“ホワイト案件”闇バイトの書き込みが医薬品密売の入り口か…トクリュウ直撃「この案件は自分たちのグループだけ」
その後、私たちはSNSのある書き込みが、医薬品密売のトクリュウと繋がっている疑いを掴みました。
それは、「関東・ホワイト案件・1日数万円は稼げます」という投稿。記者とは明かさず、メッセージを送ると、秘匿性の高いメッセージアプリに誘導されました。
どういう案件か尋ねると「保険証があれば誰でもできるホワイト案件」だと言います。
一体どういうことなのか…
私たちは、この人物と通話することができました。
(記者)「どういうものなのか?」
(トクリュウメンバー)
「ただ保険証の保険を使って病院に行ってもらって、こっちが指定する薬をもらってきていただくだけでそれを買い取るという案件」
(記者)「何の薬?」
(トクリュウメンバー)
「睡眠薬ですね。○○という薬か○○という薬、どちらでも買い取れるので」
男は、医療機関で「眠れない」と嘘をついて睡眠導入剤の処方を受けると、それを買い取ると話します。
(トクリュウメンバー)
「医療機関で1か月分の錠剤7~8シートを一回の処方箋でもらっても(自己負担は)1500円とかそんなもんなんですね。なので1回病院行くだけで2万超える金額で買い取れるんで」
薬の保険制度を悪用した手口を堂々と語る男。
男は、かつて特殊詐欺などの闇バイトのリクルーターをしていましたが、
いまは医薬品の不正買い取りを主に行っているといいます。
(記者)
「○○さんはそもそも(特殊詐欺の)闇バイトをあっせんしていたんですか?」
(トクリュウメンバー)
「まあそっちもありますけど、なんかそういうの広めてもこっちもリスクなんで、“ホワイトの案件”で、お互いに稼げればいいかなと思って」
医薬品の買い取りも当然“ホワイト”ではなく、歴然とした違法行為ですが、男は「捕まることはない」と豪語します。
(記者)「捕まることはない?」
(トクリュウメンバー)
「まずないですね。そんな広まっている話じゃないのでこれ。多分うち以外この仕事回している人いないと思うんで」
通話を終えた後、私たちは男に改めて対面での取材を申し込みましたが、返答はなく、メッセージとアカウントは消されていました。
オーバードーズが疑われる救急搬送者は1日30人以上。
この瞬間も、患者が生まれ続けています。

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