面接は転職希望者にとって企業理解を深められる場であり、面接官の言動や職場の雰囲気を直接感じられる貴重な機会。しかし、面接によりどのように志望度に影響を与えるのか、選ばれる面接に必要なことは何なのかが可視化されず、面接が属人化されてしまっている企業もあるでしょう。

そこで、20~60代の転職経験者525名を対象に、「応募者に選ばれる面接」の要因を調査しました。調査結果をもとに、経験や勘に頼らない“選ばれる面接”のポイントを解説します。

“理想の面接”とは?調査データから読み解く、転職希望者が面接に求めていること 本資料では、20~60代の転職経験者525名を対象に実施したWebアンケート調査の結果をもとに、転職希望者が“入社したい”と感じる/“辞退したくなる”面接の要因や「面接のリアル」を、役職別の傾向も交えて明らかにしています。 ⇒調査データはこちら

一次面接前の志望度は?

面接官の経験や勘に頼らない「応募者に選ばれる面接」とは?転職者の約半数が面接により志望度が変化

一次面接を受ける前の段階での志望度について聞いたところ、メンバークラスでは「普通だった」が最多で47.7%、「非常に高かった」(14.0%)、「やや高かった」(32.2%)を合わせて46.2%、「あまり高くなかった」(4.9%)、「全く高くなかった」(1.1%)を合わせて6.0%と、面接を受ける前の段階では志望度が中立的な状態であることが多いようです。

一方、管理職クラスでは「やや高かった」が最多で38.3%、「非常に高かった」(21.8%)と合わせると60.1%となり、メンバークラスと比較して志望度が高い状態で面接に臨む傾向があることがうかがえます。

面接を受けて志望度が変化した経験はある?

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面接を受けて志望度が変化した経験について、メンバークラスでは「志望度が高まった経験がある」が51.5%、「下がった経験がある」が49.6%で、約半数が面接により志望度が上下した経験があることが明らかに。

また、管理職クラスでは「志望度が高まった経験がある」が77.4%と非常に高く、「下がった経験がある」も58.2%と、メンバークラスと比較して面接による志望度変化の影響が大きいようです。

転職先を選ぶうえで重視していることは?

面接官の経験や勘に頼らない「応募者に選ばれる面接」とは?転職者の約半数が面接により志望度が変化

次に、転職先を選ぶうえで重視していることについて、メンバークラスは「給与条件」(72.3%)が最も多く、次いで「仕事内容」(63.6%)という結果に。また、「働き方」(59.5%)や「福利厚生」(44.3%)など、生活や労働環境への関心も強いようです。

一方、管理職クラスでは「仕事内容」(70.1%)が最多で、メンバークラスとは異なる結果に。次いで「給与条件」(64.8%)や「会社の将来性・安定性」(54.4%)も重視されており、報酬や長期的な展望に注目している様子がうかがえます。

両クラスとも、「仕事内容」と「給与条件」が上位となり、業務内容と報酬の2軸が転職先を選ぶ際に大きな影響を与えているようです。

カジュアル面談を希望する?

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カジュアル面談(選考前に企業理解を深めるための情報交換の場)を希望するか聞いたところ、メンバークラスでは約半数が「どちらでもよい」(47.4%)、次いで「希望する」(37.9%)という結果に。一方管理職クラスでは「希望する」(44.4%)と「どちらでもよい」(42.1%)が拮抗(きっこう)しています。

両クラスとも「希望しない」は2割未満にとどまり、役職を問わずカジュアル面談に対して肯定的・容認的であることがうかがえます。

選考プロセスにおける情報提供の場として一定のニーズがあるようです。

まとめ

今回の調査から、メンバークラスでは一次面接前の志望度は中立的で、管理職クラスではやや志望度が高い傾向があることがわかりました。また、役職にかかわらず面接の対応が志望意欲の上下に直結していることが明らかに。面接官の言動一つひとつが、人材の採用を左右するといっても過言ではないでしょう。

また、両クラスとも転職先を選ぶうえで「仕事内容」と「給与条件」が重視されています。中でもメンバークラスでは「働き方」「福利厚生」など生活面への関心が高く、管理職クラスでは「会社の将来性」「働くメンバー」など中長期的な視点が強く、役職に応じた情報提供や訴求ポイントの使い分けが効果的です。

カジュアル面談についても9割前後が肯定的・容認的で、選考プロセスにおける情報提供の場として一定のニーズがあることがうかがえます。こうした転職希望者の希望を踏まえると、企業側には選考プロセスの設計などで柔軟性と配慮の両立が求められます。

【調査概要】
■実施時期:2025年6月26日 ~ 2025年6月30日
■サンプル数:525名
■対象:20~60代
■調査手法:Webアンケート調査
※本資料では、メンバークラス:一般社員、係長、管理職クラス:課長、部長、経営者・役員と定義しています。各サンプル数は、一般社員(136)/係長(128)/課長(104)/部長(113)/経営者・役員(44)となります。
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(文/森田 彩莉、企画・編集/d’s JOURNAL編集部)

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