副業人材マッチングサービス「lotsful(ロッツフル)」を運営するパーソルイノベーション株式会社は2025年7月、20~40代のビジネスパーソンを対象に「生成AI時代の副業実態調査」を実施。生成AIが副業に与える影響や、AI採用を導入している企業への印象を調査しました。
本稿では後者の内容を抜粋してご紹介。AI採用による「効率性」への期待と、「人間性」評価への根強い不安という二面性が明らかになりました。
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AI採用の普及と、効率性への期待
今後AIで人材を評価・採用する時代になると思うかを尋ねたところ、「今後主流になっていくと思う」と回答した人が32.8%で最多となりました。11.5%は「すでに始まっていると思う」と回答しており、AIによる人材評価が遠い未来の話ではなく、現実的なものとして受け止めている人も一定数いるようです。
AIで人材を評価・採用する時代になると思うか(出典:パーソルキャリア株式会社のプレスリリース、以下同)
実際にAI面接を導入している企業に対してどのような印象を持つか尋ねたところ、1位「効率性を重視していそう」(26.1%)で、次いで2位「特に印象は変わらない」(24.4%)、3位「コスト削減が優先されていそう」(23.8%)と続いています。
AI面接を導入している企業への印象
AI採用へのネガティブな印象も……
一方で、AI採用の「効率性」はネガティブな印象と表裏一体となっています。AI面接導入企業への印象として、「コスト削減が優先されていそう」(23.8%)といった合理化への懸念や、「個々の人間性が見落とされているように感じる」といった意見も寄せられました。
この点についてパーソルイノベーションlotsful Company代表の田中みどり氏は、「効率性と同時に納得感や人間性への配慮が求められていることも浮き彫りになった」と指摘。AI採用を導入する企業には、効率化の追求だけでなく、副業希望者の感情に寄り添う姿勢が求められます。
AI評価に対して約4人に1人が「不安がある」と回答
AI面接への印象について尋ねたところ、「わからない」(29.9%)に次いで、「評価に不安がある」(24.3%)が多く挙げられました。
AI面接を受けることにどう感じるか
AIによる評価への具体的な懸念として、「意図をうまくくみ取ってもらえない気がする」(30.4%)がトップとなり、次いで「エラーや誤認識による不当評価のリスク」(29.3%)が続きました。多くの人が「AIの評価基準が不透明」と感じており、プロセスへの信頼性が欠けていることがうかがえます。
AIに評価されるときの懸念点
信頼構築のカギは「透明性」と「人による共感」
AI評価への懸念は根強い一方、「透明性のある設計」や「説明可能な仕組み」によって信頼に変えていける可能性も示唆されています。企業がAIを導入する際には、単にプロセスを自動化するだけでなく、副業希望者の納得感を醸成する努力が不可欠です。
今後の生成AI時代のキャリア形成において、田中氏は「スキル習得だけでなく、人との関係性や共感といった視点もあわせて磨いていくことが、より豊かなキャリア形成につながる」とコメントしています。
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