旭化成は、半導体や液晶パネルの露光工程で使われるフォトマスク用ペリクル(保護膜)事業を三井化学に譲渡することを決めた。フラットパネルディスプレー(FPD)製造用と、半導体・LSI(大規模集積回路)製造用の小型ペリクルを主に取り扱うが、競争力の向上や高精細化などに向けて一層の技術開発・追加投資が継続的に必要となることから、今後の事業のあり方を検討していた。
譲渡先の三井化学はペリクル市場の大手で、EUV(極端紫外線)露光用でもトップクラスの実績を持つ。同社はペリクル事業をIoT(モノのインターネット)材料の中心製品の一つに位置付け、能力増強などに取り組んでいる。
こうした中、旭化成と三井化学の思惑が一致。旭化成は今後の事業運営を三井化学に委ねることにしたもので、同事業に関連する子会社の旭化成EMS(東京都千代田区)についても全株式を譲渡する。

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