寺岡製作所は30日、MBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。創業家出身で現会長の寺岡敬之郎氏が設立したKMM(東京都千代田区)がTOB(株式公開買い付け)を行う。
KMMによる寺岡製作所株の買付価格は1株につき564円。TOB公表前営業日の10月27日の終値359円に57.10%のプレミアムを加えた。筆頭株主の伊藤忠商事は保有する全株式26.34%についてTOBに応募する予定。
買付予定数は2396万3133株。下限は所有割合61.26%にあたる1551万9300株。買付期間は10月31日~12月13日。決済の開始日は12月20日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(復代理人はauカブコム証券)。
寺岡製作所の2023年3月期業績は売上高14.2%減の193億円、営業赤字16億9000万円(前期は1億3400万円の黒字)、最終赤字36億700万円(同1億6200万円の黒字)。
寺岡製作所は1921年に創業者寺岡璋浩氏が電気絶縁用プラスチックテープなどの製造・販売を目的に設立。現在は包装・梱包用テープを主力に、電気・電子用テープや産業用テープを手がける。1977年に株式を店頭登録し、1987年に東証2部に上場(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。