第一生命ホールディングスは7日、パソナグループ傘下で企業向けに福利厚生サービスを提供するベネフィット・ワンにTOB(株式公開買い付け)を行い、子会社化すると発表した。ベネフィット・ワンをめぐっては医療情報サービスのエムスリーが現在TOBを実施中で、第一生命は対抗TOBを仕掛ける形だ。
第一生命はベネフィット・ワンの親会社であるパソナグループが所有する51.16%を除く48.84%についてTOBを通じて取得する予定。買付価格は1株1800円以上に設定可能としており、これはエムスリーが提示した買付価格1株1600円を上回る。ベネフィット・ワンは同日、第一生命のTOBへの意見は決定次第速やかに公表すると発表した。
また、パソナグループの所有分はTOB成立後に、ベネフィット・ワンが自己株式取得(1株1491円)を行う。自己株式取得を活用することで、パソナグループに一定の税務メリットが発生する見込みであることを考慮したという。
買付予定数は7753万143株、下限は所有割合15.5%にあたる2461万6600株で、パソナグループのTOB不応募株を合わせて66.67%となる水準に設定した。買付代金は1400億円超の見通し。TOBが成立すれば一連の手続きを経て、ベネフィット・ワンの東証プライム市場への上場は廃止となる。
ベネフィット・ワンはパソナグループの社内ベンチャー第1号の「ビジネス・コープ」として1996年に設立し、企業従業員向けに各種の福利厚生サービスを提供する。
エムスリーが11月15日から実施しているベネフィット・ワンへのTOBは親会社のパソナグループが所有する全株式51.16%を取得することを主目的とし、一般株主からの応募も一部受け付ける内容。買付代金は最大約1396億9100万円。株式の取得割合は最大55%で、ベネフィット・ワンの上場は維持されることになっている。このTOBにベネフィット・ワンは賛同し、応募については株主の判断に委ねるとしている。