出光興産はオーストラリア子会社を通じて、同国クイーンズランド州にあるバナジウム鉱山の開発とバナジウム電解液の製造を手がけるVecco Group Pty Ltd(ヴェッコ、ブリスベン)に追加出資し、子会社化すると発表した。持ち株比率を現在の14.7%から51%に引き上げる。

今後、電力需要の世界的な増加が予測される中、再生可能エネルギーの導入拡大に必要な重要鉱物事業に本格進出する。ヴェッコへの出資は2022年10月から3度目で、今回の追加出資額は約6200万豪ドル(約60億3500万円)。

バナジウムを原料とするバナジウム・フロー電池は電池容量の拡大が容易で、劣化しにくく長寿命などの特性があり、再生可能エネルギーで発電した電力を貯める蓄電池に適している。ヴェッコは昨年6月、バナジウム電解液製造施設の稼働を開始。2025年前半に鉱山の詳細調査を開始し、27年に採掘施設の操業開始を予定している。将来的には、精製したバナジウムを海外の電解液工場に輸送することも検討している。

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