カーワックスや補修剤などカー用品大手のソフト99コーポレーションは、自動車業界をめぐる事業環境が大きく変化するなか、市場ニーズの多様化・高度化に対応した製品開発を迅速に進めるには、株式を非公開化して短期的な業績や株価の変動にとらわれない経営体制づくりが必要と判断した。

ソフト99の田中秀明社長が設立した買収目的会社の堯アセットマネジメント(大阪市)がMBO(経営陣による買収)の一環としてTOB(株式公開買い付け)を実施する。

買付代金は約364億円。買付価格は1株につき2465円で、TOB公表前営業日の終値1610円に53.11%のプレミアムを加えた。買付予定数は1476万4831株。下限は所有割合35.04%にあたる756万6400株。買付期間は2025年8月7日~9月19日の30営業日。決済の開始日は9月29日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券と三菱UFJeスマート証券(復代理人)。

ソフト99はTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば同社の東証スタンダード市場への上場は廃止となる。

田中社長やその資産管理会社などが保有する株式31.63%についてはTOBに応募しない。TOB成立後、堯アセットマネジメントとソフト99が株式交換を実施する見通しで、最終的にTOBの不応募合意株主らは堯アセットマネジメントの株主となる予定。

ソフト99は1954年に日東化学として創業。

1993年に現社名に変更し、2001年に東証二部に上場(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。

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