独立系投資会社のスパークス・グループは、トラックなどの電装品や発電機を製造する澤藤電機をTOB(株式公開買い付け)により子会社化する。澤藤電機の主要取引先である自動車業界は、世界的な脱炭素化やCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)などの変革期にあり、澤藤電機がその変化に対応するには、生産性の向上や新たな技術力の開発などが必要と判断。

スパークス・グループは投資先ネットワークや投資実績に基づく知見を最大限活用することで澤藤電機の企業価値の向上につなげる。TOB成立後、澤藤電機は上場廃止となる。

スパークス・グループは、製造現場の生産性向上支援や、間接業務の効率化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、人財確保や資金調達などで貢献する方針。澤藤電機は、TOBに対して賛同を表明した。

買付主体は買収目的会社のARTS-4(東京都港区)。買付価格は1株につき1303円。TOB公表前営業日の終値1002円に30.04%のプレミアムを加えた。買付予定数は300万7835株で、下限は所有割合36.38%にあたる156万9600株。買付代金は約39億2000万円。

買付期間は2025年12月22日~2026年2月9日(30営業日)。決済の開始日は2月17日。公開買付代理人はみずほ証券、復代理人は楽天証券。

筆頭株主で株式30.29%を所有する日野自動車はTOBに応募せず、TOB成立後に澤藤電機が実施する自己株式取得に応じる予定。自己株式取得を含めた取引総額は約53億7700万円。

澤藤電機は1908年に澤藤電機工業所として創業。1934年に現社名となった。1949年に東証1部に上場(2022年4月にスタンダード市場へ移行)。電装品事業ではトラック・バス用電装品、発電機事業では可搬式発動発電機、冷蔵庫事業では車輌用・船舶用電気冷蔵庫などを手がけている。

編集部おすすめ