2026年を駆け抜けろ! ウマ年の神社3選㊥…西宮神社(えべっさん)

福の神として広く信仰され、七福神の一柱である、えびすを祀る総本社として知られるのが兵庫県西宮市の西宮神社だ。

えびすは商売繁盛、大漁満足、海上安全の守り神で、全国にはえびすを祀る神社が3000社以上ある。

西宮神社のある兵庫県や大阪府などの関西では「えべっさん」、東海地方では「おいべっさん」、北陸地方では「おおべっさま」、関東以北では「おえびすさん」と親しみを込めた呼び名がある。

西宮神社によると鎮座年代(神が祀られた時期)は明らかではないが、「戎(えびす)の名は平安時代後期には文献に度々記載されていることから平安中後期と推測される」としている。

本殿は、三つの本殿(殿舎)が横に連なる「三連春日造り」という全国でも珍しい構造で、「西宮造り」とも呼ばれる。

正面右側の第一殿にはえびす大神、中央の第二殿には天照大御神と大国主大神、左側の第三殿には須佐之男大神がそれぞれ祀られている。

伝承の白馬を伝える「神馬像」

西宮神社には二つの馬の像がある。一つは「神馬(しんめ)像」で、商売繁盛を祈る祭りである「十日えびす」の前夜に、えびすが白馬に乗って市中を巡行したという伝承を受け継ぐものだ。

神馬像を安置する神馬舎(しんめしゃ)は1995年の阪神淡路大震災で倒壊したが、像自体は無事だったため、2002年に再建された。

現在は参道脇にある商売繁盛や初宮詣、七五三詣などの祈祷を行う祈祷殿の隣に置かれている。

2026年を駆け抜けろ! ウマ年の神社3選㊥…西宮神社(えべっさん)
神馬舎の中に安置されている神馬像
神馬舎の中に安置されている神馬像

拝殿前には2体の「青銅神馬像」

もう一つは、拝殿の前に左右1体ずつ置かれた「青銅神馬像」だ。

西宮神社から600メートルほどのところに本社を構える、酒どころ灘五郷の酒造会社・白鷹酒造の創業者である辰馬悦蔵氏によって奉納された。

神社境内に作業所や特設の鋳造場を設けて1899年に完成した。戦時中の金属供出(軍需物資確保のための強制供出)を免れたため、現在まで残されている。

迫力ある福男選び

神馬にゆかりの深い「十日えびす」は、毎年1月9日から11日までの3日間にわたって行われ、期間中には約100万人が参拝に訪れる。

なかでも有名なのが、1月10日午前6時に行われる「開門神事福男選び」。

約5000人の参拝者が表大門(赤門)から本殿までを全力で駆け抜け、最も早く到達した者が福男に選ばれる迫力ある神事だ。

スタート地点の赤門は国の重要文化財で、1609年に豊臣秀頼が寄進したと伝えられている。全体が赤く丹塗りされているため、赤門の名で親しまれている。

アクセスは良好で、阪神電鉄本線「西宮駅」から徒歩5分、JR神戸線「さくら夙川駅」から徒歩10分、阪急電鉄神戸線「夙川駅」から徒歩15分となっている。

2026年を駆け抜けろ! ウマ年の神社3選㊥…西宮神社(えべっさん)
表大門(赤門)
開門神事福男選びのスタート地点となる表大門(赤門)

文:M&A Online記者 松本亮一

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