【1月アクティビストサマリー】旧村上系が「サンケイRE」投資口を大量保有、ありあけは百五銀行に食指

年明け1月、目を引く動きを見せたのはやはり旧村上ファンド系だった。複数ある投資会社の一つ、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)による新規保有が判明したのは上場REIT(不動産投資信託)のサンケイリアルエステート(RE)投資法人だ。

旧村上系、サンケイRE投資口を約16%保有

シティは1月23日、サンケイREの投資口の5.13%を取得したとする大量保有報告書を関東財務局に提出した。その後、29日まで4営業日連続で買い増しを報告し、共同保有者の野村絢氏(村上世彰氏の長女)らとの合計で15.9%まで保有割合を高めた。

保有目的は「投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

サンケイREに対しては不動産事業を手がけるトーセイが相手方の賛同を得て1月初めから1投資口12万5000円でTOB(公開買い付け)を実施中。買付代金は最大584億円で、全投資口の取得を目指している。

サンケイREはフジ・メディア・ホールディングス(HD)の都市開発や観光事業を担うサンケイビルグループがスポンサーになっている。

【1月アクティビストサマリー】旧村上系が「サンケイRE」投資口を大量保有、ありあけは百五銀行に食指
フジ・メディア・ホールディングスの本社(東京・台場)

現在、フジ・メディアHD株式の17%余りを保有する筆頭株主が野村氏ら旧村上系。放送法上の上限である最大33.3%まで買い増す用意があるとしたうえで、放送事業との関連が薄い不動産事業の切り離しや売却を通じた株主還元策を求めている。

旧村上系が今回、サンケイREの投資口の大量取得に動いたことで、フジ・メディアHDへの圧力をさらに強めた格好だ。

また、旧村上系は高島屋株式の買い増しに関する変更報告書を2度提出。保有割合を8.22%に高めた。高島屋株式の5%超の新規保有は昨年9月に判明していたが、10月以降、表立った動きは途絶えていた。

ありあけキャピタル、百五銀行を5%超取得

1月中、国内外のアクティビスト(物言う株主)による新規保有が活発化し、少なくとも15銘柄以上に上った。

地方銀行など金融セクターに特化したファンドを運営する、ありあけキャピタル(東京都中央区)が百五銀行の株式を5.06%保有していることが分かった。

「純投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。百五銀行は三重県津市に本店を置く。

ありあけキャピタルは昨年、滋賀銀行、池田泉州ホールディングス(池田泉州銀行)、あいちフィナンシャルグループ(愛知銀行)、大垣共立銀行について各5%を超える株式を新規保有したが、2026年も地銀への積極投資の姿勢に変化はなさそうだ。

ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS、東京都千代田区)は電子部品メーカーの日本ケミコンの株式7.17%を新規保有した。JISは日本政策投資銀行とみずほ、三井住友、三菱UFJのメガバンク3行などが設立した事業再生ファンド。

投資会社のDOE5パーセント(東京都港区)は食用・工業用油脂大手のミヨシ油脂について5.52%の株式を新規保有した。DOE5パーセントは起業家・投資家として知られる植島勘九郎氏が率いる。

米エリオット、TOB開始の豊田織機を買い増し

トヨタグループが5.4兆円規模の買収・非公開化(うちTOB分は4.25兆円)を目指す豊田自動織機をめぐっては、米投資ファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントが株式の保有割合を6.65%まで高めたことが1月22日提出の変更報告書で分かった。

トヨタグループによる豊田織機へのTOBは1月15日に始まったが、買付価格は従来の1株1万6300円(昨年6月発表)から1万8800円に引き上げられた。エリオットはかねて買付価格が「企業価値に比べて低すぎる」として批判していた。

英投資ファンドのゼナーアセットマネジメントは、バラ積み船のNSユナイテッド海運、AI(人工知能)活用による販促サービス開発のAppier Groupについて5%超の株式を新規保有した。

香港勢では、オアシス・マネジメントが人材サービスのエス・エム・エスの株式7.76%を新規保有した。

ほかに、オールド・ピーク・グループが北野建設、エムワイアルファマネジメント香港アドバイザーズがラクスルについて5%超を新たに保有した。

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1月 アクティビストによる主な保有状況

文:M&A Online

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