愛知県東部と静岡県西部を中心に、ガスや電気などのエネルギー事業と、住宅や不動産などの生活関連事業を展開するサーラコーポレーション<2734>は、食品や農業分野の事業拡大に乗り出した。
これまではエネルギー事業と生活関連事業が売上高のほぼ半分ずつを占めていたが、今後は食・農分野を第三の柱として育成する。
人口減少下でも需要が見込める分野に事業領域を広げ、中長期の成長につなげる考えだ。
環境変化に備え事業構造を転換
サーラコーポレーションは、人口減少や高齢化の進展に伴う労働力不足や市場縮小に加え、資本コストや株価を意識した経営への要請の高まり、生成AI(人工知能)の進化、カーボンニュートラル社会への移行などを背景に、持続的成長に向けた課題が今後一段と顕在化すると分析する。
こうした環境変化を踏まえ、同社はビジネスモデルの変革と新たな価値創造に取り組む方針を掲げ、食・農事業の育成をはじめ、エネルギー事業、住宅・不動産分野でも積極的な施策を展開する。
食・農事業では、農産物の生産から流通、加工、消費までを一体で捉えたフードバリューチェーンの中で付加価値創出に取り組む。
あわせて、グループ内外との連携を通じて社会課題や顧客課題の解決につながる新規事業を開発し、暮らしやすさ(Well-being)の向上を目指す。
すでに2025年1月には、農産物の⽣産、加⼯、流通、貯蔵、販売を手がけるサーラアグリを設立し、農業生産事業への取り組みを開始した。
食・農事業の明確な売上高構成比は示していないものの、2030年11月期には事業の第三の柱として一定の存在感を持たせる考えだ。
エネルギー事業では、設備導入にとどまらず、導入後のメンテナンスやリニューアル、経営課題の解決につながる提案を組み合わせたスマートエネルギー・ファシリティソリューションビジネスの構築を進める。
住宅分野では、2024年に子会社化した住宅リフォーム会社の安江工務店との連携を強化し、リフォームを軸としたストック住宅ビジネスモデルを構築する。
サーラグループ各社と安江工務店の強みを融合した体制で、2030年に売上高300億円の達成を目指す。
不動産投資では、投資金額や投資エリアを拡大し、総額250億円規模の不動産ポートフォリオを構築する計画だ。
食・農、エネルギー、住宅・不動産での施策を並行して進め、環境変化への対応力を高め、安定収益と新たな成長源の両立を目指す計画だ。
事業変革を支えるM&Aを加速
こうした計画の実現のために、サーラコーポレーションはM&Aをはじめ、DX(デジタルトランスフォーメーションや人材などへの投資として5年間(2026年11月期~2030年11月期)で450億円を投じる。
M&Aでは、事業変革につながる成長領域や、収益性の高い事業ノウハウを持つ企業を主な対象とし、買収を検討する。
同社はM&Aに前向きな姿勢を示しており、2010年以降に適時開示した案件は9件にのぼる。
事業拡大局面では買収を通じて領域を広げる一方、事業ポートフォリオの見直しに伴う譲渡も実施してきた。
2011年には総合建設業の鈴木組を子会社化し、建設分野を強化。2019年には地場住宅会社の宮下工務店を子会社化したほか、イワキ傘下にあった動物医薬品卸2社を取得し、ライフサイエンス関連事業を拡充した。
一方、2022年には子会社が手がけていた表面処理事業を自動車部品メーカーの高木製作所に譲渡。
2024年には動物用医薬品卸売の同和化学を子会社化するとともに、住宅リフォーム事業の安江工務店をTOB(株式公開買い付け)により傘下に収めた。
直近では、2025年に二輪部品製造子会社の新協技研をスズキに譲渡しており、成長投資と事業の選別を並行して進めている。
M&Aをビジネスモデル変革の手段として位置づける同社が、今後どの成長領域で買収に踏み出すのかが焦点となる。
ガス事業を起点に多角化を推進
サーラグループは1909年、グループの起源となる豊橋瓦斯が創立され、豊橋で都市ガス供給を担う会社として歩みを始めた。
翌1910年には、豊橋瓦斯の役員と浜松の有力者が中心となり、浜松で浜松瓦斯を設立。1943年には両社が合併し、中部瓦斯が誕生した。
その後、2002年に中部瓦斯の子会社であるガステックサービス、中部、新協オートサービス(現サーラカーズジャパン)の3社が株式移転により共同で持株会社サーラコーポレーションを設立した。
2016年には、サーラコーポレーションが中部瓦斯(現 サーラエナジー)とサーラ住宅を株式交換により完全子会社化し、グループ経営体制を一本化した。
現在の中核事業はエネルギー&ソリューションズ事業で、都市ガス、LPガス、石油製品、高圧ガス、関連機器の販売に加え、電気供給や熱供給などを手がけ、売上高の48.4%を占める。
次に売上規模が大きいのがハウジング事業で、売上高構成比は18.0%。注文住宅の請負や建物のリフォーム、不動産の売買・賃貸借・仲介・管理、建築資材や住設機器の販売などを展開する。
これに、土木・建築工事や建設用資材の製造・販売、設備工事やメンテナンス、情報通信関連設備工事などを担うエンジニアリング&メンテナンス事業が続き、売上高構成比は14.1%となっている。
このほか、動物用医薬品や畜産用機器などを扱うアニマルヘルスケア事業が9.4%、輸入自動車の販売・整備を行うカーライフサポート事業が7.2%、不動産賃貸や分譲、ホテル、料飲事業などを含むプロパティ事業が2.9%を占め、複数事業で収益基盤を構成している。
2025年11月期は売上高2515億3300万円(前年度比4.6%増)、営業利益73億8100万円(同17.0%増)の増収営業増益を達成した。
エンジニアリング&メンテナンス事業とハウジング事業が堅調に推移し、売上高を押し上げた。
利益面はエネルギー&ソリューションズ事業とエンジニアリング&メンテナンス事業が大幅な増益となったため、営業利益は2ケタ増となった。
2026年11月期は、売上高は3.4%増、営業利益は1.6%増を見込み、2期連続の増収営業増益となる見通しだ。
さらに2030年11月期には、売上高3000億円(2025年11月期比19.27%増)、営業利益120億円(同62.58%増)を計画する。
ガス事業を原点に多角化を進めてきたサーラコーポレーションは、M&Aによる成長領域の取り込みと事業の譲渡を並行させ、持続的な成長モデルの構築を模索することになりそうだ。
文:M&A Online記者 松本亮一
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